ITパスポート試験 / 平成25年度 秋期 ITパスポート試験 / 問42
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平成25年度 秋期 ITパスポート試験 問42 解説 コンティンジェンシー予備

プロジェクトにおいて,当初のプロジェクト範囲に含まれている,予測はできるが発生することが確実ではないイベントの対策費用のことをコンティンジェンシー予備という。あるシステム開発プロジェクトにおいて,開発を受注したベンダ側のプロジェクトマネージャが計上するコストのうち,コンティンジェンシー予備に分類するのが適切なものはどれか。

  1. 開発環境で機器が故障したときの機器の入替えに必要なコスト ✓ 正答
  2. 開発進捗を管理するプロジェクトリーダの作業に必要なコスト
  3. プロジェクトスコープ外のユーザの新しい要求に対応するために必要なコスト
  4. プロジェクトで採用を予定している,システムの品質管理ツールの購入に必要なコスト

解説

この問題は、プロジェクトの予算確保における予備費の種類を理解しているかが問われています。コンティンジェンシー予備とは、発生する可能性があると予測でき、かつあらかじめ想定されているリスク(既知のリスク)に対して準備しておく予備費のことです。この判断基準に従い、選択肢の中から「あらかじめ予測可能なリスク」を選びます。

予備費の種類と役割

プロジェクトの予算には、主に2種類の予備費が存在します。

コンティンジェンシー予備は、既知のリスクに対応するための予備費です。プロジェクト計画の段階で、どのようなトラブルが起こりそうか(機器の故障、作業の遅延、特定の工程での手戻りなど)を洗い出し、それに対する対策費用として計上されます。この予備費はプロジェクトマネージャの管理下にあり、あらかじめリスクとして認識されている事象が発生した際に使用されます。

一方で管理予備費は、未知のリスクに対応するための予備費です。発生を予測できない事象(プロジェクトのスコープ外からの急な要求、法改正による仕様の大幅な変更など)に備えるための資金です。これはプロジェクトマネージャではなく、より上位の意思決定者によって管理されるのが一般的です。

選択肢の判断プロセス

正解の「開発環境で機器が故障したときの機器の入替えに必要なコスト」は、システム開発において「機器はいつか故障する可能性がある」という既知のリスクとして認識できます。したがって、これはコンティンジェンシー予備の対象となります。

それ以外の選択肢について検討します。

・開発進捗を管理するプロジェクトリーダの作業に必要なコスト これは予備費ではなく、プロジェクトの遂行に不可欠な「直接的な人件費」です。予算のベースラインに含まれるべき費用です。

・プロジェクトスコープ外のユーザの新しい要求に対応するために必要なコスト これは発生を予測できない「未知のリスク」またはプロジェクト範囲の拡大を意味するため、管理予備費の対象、あるいは契約上の追加変更として扱われます。

・プロジェクトで採用を予定している、システムの品質管理ツールの購入に必要なコスト これもプロジェクトの遂行に必要な「必須の経費」です。あらかじめ見積もりに含めておくべき費用であり、予備費ではありません。

プロジェクトマネジメントにおける予算管理の重要性

ITパスポート試験でこの概念が問われるのは、プロジェクトが予定通りに進まないという事態を想定し、いかにリスクを可視化して備えるかというマネジメントの視点が不可欠だからです。

実際のビジネス現場では、すべてを予算化してコストを膨らませると、見積もりが高くなりすぎて受注できなくなります。一方で、予備費を全く用意していないと、トラブル発生時に予算が足りず、プロジェクトがストップしてしまうリスクがあります。プロジェクトマネージャは、発生確率の高いリスクにはコンティンジェンシー予備を、発生確率が低く予測困難な事象には管理予備費をというように、予算を戦略的に割り振る能力が求められます。

参考リンク

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