平成25年度 秋期 ITパスポート試験 問48 解説 ソフトウェア導入作業
ソフトウェア, データベースなどを契約で指定されたとおりに初期設定し, 実行環境を整備する作業はどれか。
- ア ソフトウェア受入れ
- イ ソフトウェア結合
- ウ ソフトウェア導入 ✓ 正答
- エ ソフトウェア保守
解説
この問題の正解を導くための鍵は、用語が表す「作業のタイミング」と「目的」に着目することです。
設問にある「契約で指定されたとおりに」「初期設定し」「実行環境を整備する」というキーワードは、完成したソフトウェアを実際に使える状態へともっていく作業を指しています。これはシステム開発における導入(インストール)の定義そのものです。
ソフトウェア導入というプロセスの役割
システム開発の工程において、ソフトウェア導入は開発者から利用者へ成果物が引き渡され、実際に業務で動かせる状態にする最終段階に近いフェーズです。
単にデータをコピーするだけでなく、利用者の環境に合わせてパラメータを設定したり、他の周辺機器やデータベースと接続する設定を行ったりといった調整作業が含まれます。これによって、開発環境で動いていたプログラムが、実際の現場で業務を処理するための実行環境へと切り替わります。
誤った選択肢を排除する思考プロセス
各選択肢の内容を整理すると、本番試験での消去法がスムーズになります。
ア ソフトウェア受入れ 開発されたシステムが、仕様を満たしているか、要件通りに動作するかを利用者が確認するプロセスです。「検証」や「確認」が主目的であり、初期設定そのものとは異なります。
イ ソフトウェア結合 個別に開発された複数のプログラム部品を組み合わせ、全体として正しく機能するかを確かめる工程です。これは開発工程の一部であり、現場への展開とは時期が異なります。
エ ソフトウェア保守 システムが稼働し始めた後に、バグの修正や機能の改善、OSのバージョンアップへの対応などを行うフェーズです。稼働後の「維持」が目的であり、導入とは対象とする時間軸が異なります。
システムライフサイクルにおける位置づけ
ITパスポート試験では、システムが生まれてから終了するまでの「ライフサイクル」の順序を理解することが重要です。
システム開発は一般的に、企画→要件定義→設計→開発(プログラミング)→テスト→導入→運用・保守という流れを辿ります。この設問は、開発とテストが終わった直後の「導入」というフェーズの役割を問うています。
企業で実際にITシステムを導入する際には、導入計画書を作成し、事前の環境チェックを行い、導入後の動作確認(移行確認)を実施するという一連の手順を踏みます。この問題は、単なる用語知識としてだけでなく、実際のシステム構築プロジェクトにおいて、どのタイミングでどのような責任が発生するのかという、プロジェクト管理の基礎的な感覚を養うことを意図しています。