平成25年度 秋期 ITパスポート試験 問94 解説 業務報告書作成手順
ひな形ファイルを用いて,新たに業務報告書をワープロソフトで作成するときの手順として,適切なものはどれか。 a “ひな形”フォルダの“業務報告書(ひな形)”を開く。 b 個人用フォルダの業務報告書を,“報告書”フォルダ内に複写した後,削除する。 c 定められた業務報告書のファイル名を付けて,“報告書”フォルダに保存する。 d 定められた業務報告書のファイル名を付けて,個人用フォルダに保存する。 e ファイルを上書き保存する。 f 報告内容を記述する。 g ワープロソフトを終了する。
- ア a → c → f → e → g
- イ a → d → f → e → g → b ✓ 正答
- ウ a → e → f → c → g → b
- エ a → f → e → g → b
解説
この問題は、業務効率化やセキュリティの観点から「ひな形(テンプレート)を適切に扱うための手順」を問うものです。正解を導くための鍵は、元のひな形ファイルを汚さないこと、そして適切な場所に正しく保存することです。
業務の手順を組み立てる論理
この作業の目的は、ひな形を基にして新しい文書を作成し、指定のフォルダに格納することです。選択肢の項目を整理し、自然な流れを組み立てます。
- まず、作業を開始するためにひな形を開く(a)
- 個人の作業領域として一度保存するか、名前を付けて管理する(d)
- 文書に内容を記入する(f)
- 作業内容をファイルに反映させる(e)
- 文書を閉じる(g)
- 最後に、完成したファイルを本来の目的場所である「報告書フォルダ」へ移動(あるいは管理)する(b)
この論理から、イの手順「a → d → f → e → g → b」が、ひな形を保護しつつ業務上のルールに則ったプロセスとして最も妥当であると判断できます。
ひな形を利用する意義
ITの現場でひな形を利用する最大の目的は、入力項目やフォーマットを標準化し、作成の手間を省くと同時に、文書の品質を維持することにあります。
もし手順を間違えて「ひな形ファイルを直接上書き保存」してしまうと、次の人が新しい業務報告書を作ろうとしたときに、前回の内容が残った状態になってしまいます。これではテンプレートとしての価値が失われるだけでなく、誤って前回の個人情報や機密情報を含めて配布してしまうリスクもあります。したがって、ひな形は「読み取り専用」のように扱い、常に新しい別のファイルとして保存することが鉄則です。
実務におけるファイル管理
この問題は、単なるワープロソフトの操作を超えて、組織内での「ファイル管理ルール」の重要性を教えています。
実際の職場では、以下のような管理が一般的です。
- ひな形フォルダ: 編集権限を制限し、誰でも閲覧できるが削除・変更はできない状態にする。
- 個人用フォルダ: 一時的な作業場所や、自分専用のファイルを置く場所。
- 共有フォルダ(報告書フォルダ): 完成品を置く、参照用の場所。
本問の手順において、最後に「b:個人用フォルダから報告書フォルダへ移動する」という工程があるのは、完成した成果物を正しい管理場所に配置する「ファイリングの基本」を反映しているからです。PCスキルの試験であっても、単なるソフトの使い方だけでなく、情報の整理整頓や適切なアクセス制御といった、実務的なITリテラシーが問われています。