平成25年度 秋期 ITパスポート試験 問97 解説 RFID導入の目的
Bさんは, RFIDを内蔵した利用者カードを発行し, 書籍にはシート状に加工した RFIDを貼り, RFID読取装置をカウンタに設置し, 貸出, 返却時に利用することを検 討した。これで改善できる〔要望事項〕として, 適切なものはどれか。
- ア (1) ✓ 正答
- イ (2)
- ウ (3)
- エ (4)
解説
この問題は、RFIDの最大の特徴である非接触・一括読み取りによる「業務効率化」が、具体的な現場(図書館など)でどう役立つかを問う問題です。
正解となる選択肢は、バーコード読み取りと比較した際の優位性、すなわち「一度に複数の書籍を読み取れること」や「見えない状態でも読み取れること」による「貸出・返却手続きの迅速化」を指すものです。
RFIDの基礎知識
RFID(Radio Frequency Identification)は、ICタグに記録された情報を電波や電磁界を使って非接触で読み書きする技術です。
バーコードと大きく異なる点は以下の2つです。
- 読み取り装置に直接かざさなくても、ある程度の距離があれば反応する。
- 複数のタグを一括で読み取ることができる。
これらの特性により、これまで1冊ずつバーコードをスキャンしていた作業を、RFID対応のゲートを通すだけで完了させるような、劇的な業務の効率化が可能になります。
効率化のプロセス
図書館でこの技術を導入する場合、利用者側と管理側の双方にメリットが生まれます。
利用者にとっては、貸出時の待ち時間が短縮されることが最大のメリットです。従来のバーコード管理では、カウンターで司書が1冊ずつバーコードを探し、スキャンする工程が必要でした。しかしRFIDを導入すれば、複数の書籍を重ねたまま専用の台に置くだけで貸出処理が完了するため、ストレスフリーな利用体験が実現します。
また、返却時においても同様で、カゴに入った状態のまま一括返却処理ができるため、作業の自動化が進み、図書館の運用コスト削減にもつながります。
実社会におけるテクノロジーの活用
この問題は、技術の導入がどのような便益をもたらすかをビジネスの現場で判断する力を試しています。ITパスポート試験では、新しい技術の単なる名称暗記ではなく、「その技術を使うと、誰のどんな手間が減るのか」という視点が非常に重要です。
実際の現場では、RFID以外にも物流管理やアパレルの棚卸しなどで、この「一括読み取り」という特性が活用されています。アパレルショップで店員がハンディリーダーをかざすと、バックヤードにある在庫数が瞬時に集計される光景を見たことがあるかもしれません。まさに本問で問われている「一括処理による効率化」が実社会の至るところで活用されているのです。