平成25年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問3 解説 ERPの定義
企業内の経営資源を統合的に管理し,最適化することで効率的な経営活動を実現するための手法はどれか。
- ア BPR
- イ ERP ✓ 正答
- ウ RFP
- エ SLA
解説
キーワードで判断する
問題文にある「経営資源を統合的に管理」「最適化」という言葉から、ERP(企業資源計画)を即座に連想するのが正解への近道です。選択肢の他の用語が、組織改革(BPR)、提案依頼(RFP)、サービス水準(SLA)と、文脈が明確に異なるため、消去法でも十分に絞り込めます。
経営資源を一元化するERPという考え方
ERPはEnterprise Resource Planningの略で、日本語では企業資源計画と訳されます。企業の主な経営資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」を、部門ごとにバラバラに管理するのではなく、一つのシステムで一元管理しようという考え方です。
例えば、ある製品が売れたとき、ERPが導入されていれば、販売情報が更新されると同時に、在庫の減少が自動計算され、必要に応じて製造部門へ発注指示が飛び、さらには会計部門の帳簿にまで自動で数字が反映されます。このように、部門を超えてリアルタイムで情報を共有し、経営判断のスピードアップやコスト削減を図るのがERPの真髄です。
なぜ他の選択肢は間違いなのか
ITパスポート試験では、似たような英略語が多く出題されます。それぞれの役割を整理しておきましょう。
・BPR(Business Process Reengineering) 業務プロセスを抜本的に見直し、再設計することです。ITを活用して効率化を図りますが、ERPというシステムそのものを指す言葉ではありません。
・RFP(Request For Proposal) システム開発などを発注する際、ベンダー(開発会社)に対して「こんなシステムを作りたいので、提案書をください」とお願いする書類のことです。
・SLA(Service Level Agreement) サービス提供者と利用者の間で、「どの程度の品質でサービスを提供するのか」を事前に取り決めた合意文書です。
これらの選択肢は、いずれも企業のIT戦略や経営管理には欠かせない言葉ですが、問題文が求めている「統合管理・最適化」の定義に合致するのはERPだけです。
現場で求められるITリテラシー
試験合格のためだけでなく、実際のビジネス現場においてもERPの知識は非常に重要です。現代の多くの企業は、SAPやOracleといったERPパッケージを導入して経営を行っています。
現場で「なぜこのシステムを使っているのか」と考えたとき、単に「入力を楽にするため」だけではなく、「部署間の情報の壁(サイロ化)をなくし、会社全体の数字をリアルタイムで把握するため」という目的があることを理解していると、システムに対する見方が変わります。ITパスポートで学ぶ用語は、こうした「企業がITをどう使って利益を上げようとしているか」という全体像を掴むための土台となるのです。