平成25年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問29 解説 バリューエンジニアリング
バリューエンジニアリングにおいて, 価値を定義する二つの要素はどれか。
- 粗利と売上原価
- 機能とコスト ✓ 正答
- 計画と実績
- 固定費と変動費
解説
バリューエンジニアリング(VE)は、価値を「機能」と「コスト」の比率で定義します。試験でこの用語が出たら、直ちにこの二つの単語がセットになっている選択肢を選びましょう。
価値とは何かを定義するVEの基本式
バリューエンジニアリング(Value Engineering)において、価値(Value)は以下の式で表されます。
ここで、は価値(Value)、は機能(Function)、はコスト(Cost)を指します。この式が意味するのは、製品やサービスが果たすべき「機能」を維持したまま、いかに「コスト」を抑えるか、あるいはコストはそのままで、いかに高い機能を実現するかを追求する手法だということです。単にコストを下げるだけの「コストダウン」とは異なり、機能(目的)を犠牲にしないことがVEの核心です。
選択肢を絞り込む思考プロセス
問題文で問われているのは、価値を構成する「二つの要素」です。
・粗利と売上原価:これは会計上の利益構造を示す指標であり、経営分析には使いますが、VEの定義ではありません。 ・機能とコスト:これがVEの定義式そのものです。正解の根拠となります。 ・計画と実績:これはプロジェクト管理や予算管理の比較指標であり、価値評価の定義ではありません。 ・固定費と変動費:これはコストの分類方法の一つ(CVP分析などで使用)であり、価値そのものの要素ではありません。
「価値を高める」という目的は、どれだけの機能(役立ち具合)を、どれだけのコスト(資源)で実現するかという比較から生まれます。この視点を持つことが、正解を導くための鍵となります。
なぜこの知識が試験で問われるのか
ITパスポート試験においてこの問題が出題される背景には、ITシステム開発における「費用対効果」の考え方を理解しているかを確認する狙いがあります。
システム開発においても、過剰な機能を追加してコストを肥大化させることは、必ずしもユーザーにとっての価値向上には繋がりません。限られた予算の中で、必要な機能をいかに効率よく提供するかというバランス感覚は、プロジェクトマネジメントを行う上で極めて重要です。この知識は、見積もりの作成や、開発工程における優先順位付け、さらに経営戦略立案の基礎となる思考回路を養うものといえます。