ITパスポート試験 / 平成25年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 / 問33
certification-simodake-work

平成25年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問33 解説 システム要件定義

システム開発プロセスには, システム要件定義, システム設計, プログラミング, テスト, ソフトウェア受入れがある。新規のシステム開発において, 開発の初期の段階でシステム要件として定義するものはどれか。

  1. システムの機器構成
  2. システムの開発標準
  3. システムの対象範囲 ✓ 正答
  4. システムのテスト計画

解説

システム要件定義は、プロジェクトの「何を作るか」を決める最も最初の工程です。この問題は、開発の初期段階で何を決めるべきかという「目的の明確化」を問うています。「対象範囲(スコープ)」を決めることは、システム開発における最優先事項であるため、ここを正解として選ぶのが定石です。

システム要件定義の役割と目的

システム要件定義とは、システム化したい業務やニーズを整理し、システムで実現すべき機能や満たすべき条件を決定する工程です。家を建てる例で言えば、「どのようなライフスタイルを実現したいか」「どのくらいの広さの土地に、何階建ての家を建てるのか」といったコンセプトを決める段階に相当します。

この段階で最も重要なのが「システムがどこまでを担当し、どこからは人間や他システムが担当するか」という線引き、つまり対象範囲(スコープ)の決定です。もしここが曖昧だと、開発が進むにつれて「これも機能に含めるべきだ」といった要望が際限なく増え、納期や予算が守れなくなる原因となります。

なぜ他の選択肢は初期段階ではないのか

  • システムの機器構成: 物理的なハードウェアの種類や台数を決めるのは、要件定義の後の「システム設計(基本設計・詳細設計)」の段階です。「何を実現するか」が決まっていない状態で機器を選定することはできません。
  • システムの開発標準: 開発におけるルール(プログラミング言語の規約やドキュメントの書式など)は、プロジェクトが立ち上がり、開発チームが動き出す前に準備されるものです。システムの内容を定義する工程とはレイヤーが異なります。
  • システムのテスト計画: テストはシステムが出来上がった後に実施するものです。どのようなテストを実施するかを決めるのは、要件定義の後の設計工程や、開発と並行して進める必要があります。

システム開発の全体像における位置付け

ITパスポート試験において、この知識は単なる暗記ではなく、開発の「上流工程から下流工程への流れ」を理解するために必要です。上流工程である要件定義がブレると、その後の設計、プログラミング、テストのすべてが正しい方向へ進めなくなります。

実際のビジネス現場でも、システム開発の失敗事例の多くは「最初に対象範囲を明確に定義しなかったこと」に起因します。顧客の要望をどこまで叶えるのかを契約段階で明確にすることは、トラブルを防ぎ、プロジェクトを成功させるためのマネジメントの根幹といえます。この問題は、エンジニアだけでなく、システムの発注者にとっても必須の教養を問うているのです。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう