平成25年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問99 解説 Webサイトのアクセス分析
N社では, 先月, サッカー用品の特典付き販売キャンペーンを広告するために, C 社のサッカーニュースサイトにバナー広告を掲載した。先月は, 当該バナー広告か らN社トップページへのアクセスが3,000件あったことが報告された。また, その 3,000件のサイト内での動きを追跡したところ, 図2のとおりであった。この結果か ら, 考えられる問題点として正しいものはどれか。ここで, 件数は, 元のページか ら次のページへリンクされた数であり, 各ページへリンクされた件数と, そのペー ジからN社サイト内の別のページへリンクした数の差を, N社のサイトからの離脱 と考える。
- C社からアクセスした利用者の半数は, トップページだけを見て離脱している可能性がある。
- C社サイトからのアクセスのコンバージョン率が, 先月のサイト全体のコンバージョン率より低い。
- 購入手続に進んだ件数の半数以上が, 購入手続を完了せずに他のページに移動又は離脱している。 ✓ 正答
- 広告の目的であるキャンペーン情報のページへのアクセス件数が, 商品紹介のページへのアクセス件数より少ない。
解説
この問題は、Webサイトのアクセス解析に関する知識を問うものです。与えられた図2のデータからユーザーのサイト内行動を正確に読み解き、問題点を特定できるかがポイントとなります。
具体的な解き方としては、まず各選択肢が示す状況を図2の数値に基づいて検証していきます。
問題点の特定:購入手続の課題
正解である「購入手続に進んだ件数の半数以上が, 購入手続を完了せずに他のページに移動又は離脱している」がなぜ正しいのかを検証します。
「購入手続」ページへの流入件数を算出します。
- 「商品紹介」ページから「購入手続」ページへリンクされた件数:100件
- 「キャンペーン情報」ページから「購入手続」ページへリンクされた件数:300件
- 合計:件
したがって、「購入手続に進んだ件数」は400件です。
「購入手続」ページを完了せずに、他のページに移動または離脱した件数を算出します。
「購入手続」ページから「商品紹介」ページへ戻った件数:50件
「購入手続」ページから「キャンペーン情報」ページへ戻った件数:20件
これらは「他のページに移動」した件数です。合計:件
問題文には「各ページへリンクされた件数と、そのページからN社サイト内の別のページへリンクした数の差を、N社のサイトからの離脱と考える」とあります。
「購入手続」ページへの流入は400件。
「購入手続」ページからN社サイト内の別のページ(商品紹介、キャンペーン情報)へリンクした件数は70件。
したがって、「購入手続」ページからの離脱件数は、件です。
この330件の離脱のうち、180件は「購入完了」という、N社にとって望ましい結果としての離脱です。
「購入手続を完了せずに」離脱した件数は、件となります。
購入手続を「完了せずに他のページに移動」または「離脱」した件数の合計は、 件(他のページへ移動)+件(完了せずに離脱)件です。
「半数以上」の条件を満たすかを確認します。
- 「購入手続に進んだ件数」は400件です。その半数は 件です。
- 完了せずに移動または離脱した件数は220件であり、件は件の半数以上にあたります。
以上の計算から、選択肢の記述が正しいと判断できます。購入手続に進んだ400件のうち、購入完了まで至ったのは180件しかなく、残りの220件は途中で離脱したり、他のページに戻ってしまっていることになり、購入プロセスの改善が必要であるという問題点を示しています。
アクセス解析でユーザー行動を読み解く
この問題は、Webサイトのアクセス解析で重要な「ユーザーフロー分析」の基本的な考え方を理解しているかを問うものです。Webサイトでは、訪問者がどのページからどのページへ移動し、どこでサイトを離れるかといった行動データが記録されます。これを分析することで、サイトの使いやすさや、目標達成(コンバージョン)までの経路に問題がないかを発見できます。
本問の図2は、まさにユーザーフローを図で示したものであり、各ページの役割とユーザーの動きを可視化しています。特に、最終的な目標である「購入完了」に至るまでの「購入手続」ページでの離脱率が高いことは、売上に直結する大きな問題点となり得ます。このような「ボトルネック」を発見し、改善策を検討することがアクセス解析の重要な目的です。
ビジネス改善への応用:データの活用
ITパスポート試験でこのような問題が出題されるのは、Webサイトやオンラインサービスがビジネスにおいて不可欠なツールとなっている現代において、ITを活用してビジネス課題を発見・解決する能力が求められるためです。アクセスデータは単なる数字の羅列ではなく、ユーザーの「なぜ?」という疑問や行動の背景を読み解くための重要な情報源です。
- コンバージョン率の計算: C社からのアクセス3,000件に対して購入完了が180件なので、コンバージョン率は となります。この数字が高いのか低いのかは、目標値や業界平均との比較によって評価されます。
- 離脱率と回遊率: 特定のページからの離脱が多い場合、そのページのコンテンツやデザイン、次の行動を促す導線に問題がある可能性があります。逆に、多くのユーザーが複数のページを閲覧してサイト内を回遊している場合は、ユーザーの関心が高いと評価できます。
本問で特定された「購入手続」ページの問題は、例えば入力フォームの複雑さ、支払い方法の少なさ、送料などの提示方法、ページの読み込み速度といった技術的・デザイン的な要素、あるいは心理的なハードルなど、様々な要因が考えられます。これらの要因を特定し、改善策を講じることで、購入完了数を増やし、ビジネス成果を向上させることができます。
その他の選択肢の検討
C社からアクセスした利用者の半数は, トップページだけを見て離脱している可能性がある。 トップページへのアクセス3,000件はすべて、商品紹介(1,000件)かキャンペーン情報(2,000件)へ移動しています。トップページで直接離脱したユーザーはいません。
C社サイトからのアクセスのコンバージョン率が, 先月のサイト全体のコンバージョン率より低い。 C社からのアクセスのコンバージョン率は計算できますが(6%)、先月のサイト全体のコンバージョン率が問題文に示されていないため、比較して高いか低いかを判断することはできません。
広告の目的であるキャンペーン情報のページへのアクセス件数が, 商品紹介のページへのアクセス件数より少ない。 キャンペーン情報ページへの流入合計は、件(トップページから)件(商品紹介から)件です。商品紹介ページへの流入合計は、件(トップページから)件(購入手続から)件です。キャンペーン情報ページへのアクセス件数の方が多いため、記述は誤りです。