ITパスポート試験 / 平成26年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 / 問18
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平成26年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問18 解説 財務諸表の開示義務

経営状態に関する次の情報のうち,上場企業に有価証券報告書での開示が義務付けられている情報だけを全て挙げたものはどれか。 a キャッシュフロー計算書 b 市場シェア c 損益計算書 d 貸借対照表

  1. ア a, b, c
  2. イ a, b, d
  3. ウ a, c, d ✓ 正答
  4. エ b, c, d

解説

財務諸表と開示義務の判断ポイント

この問題は、企業が作成・公開すべき財務諸表の構成要素を知っているかが問われています。判断のポイントは以下の2点です。

  1. 財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)は、上場企業にとって法律(金融商品取引法)で作成・提出が義務付けられた公式な文書です。
  2. 市場シェア(マーケットシェア)は、自社の経営戦略や広報の一環として公表することはありますが、法律で義務付けられた法定開示書類ではありません。

したがって、a、c、dの3つが義務付けられた情報となります。

財務諸表とは何か

上場企業は、投資家に対して自社の経営状態を正しく伝えるために、以下の主要な財務諸表(決算書)を提出する義務があります。

  • 貸借対照表(BS) 特定の時点での企業の「財政状態」を表すものです。どのくらいの資産があり、どれだけの負債を抱えているか、最終的に純資産がどれくらい残っているかを示します。
  • 損益計算書(PL) 一定期間の「経営成績」を表すものです。どれだけ売り上げて、どれだけ費用がかかり、最終的に利益がいくら残ったのかを示します。
  • キャッシュフロー計算書(CS) 一定期間の「現金の出入り(お金の動き)」を表すものです。利益が出ていても現金が不足すると黒字倒産する可能性があるため、非常に重要な指標です。

これらは企業の健康診断書のようなもので、投資家はこれらを確認することで「この会社に投資して大丈夫か?」を判断します。

市場シェアが義務に含まれない理由

市場シェアは、ある市場全体の中で自社の売上がどの程度の割合を占めているかを示す指標です。これは「マーケティング戦略」の指標であり、企業の財政的な正当性を証明するものではありません。

企業が「業界シェアNo.1」と広告することは自由ですが、それを全企業に一律で義務付けると、市場の境界線(どこまでを競合とみなすか)が曖昧なために数値の客観性を担保できず、制度として機能しないため、開示義務の対象からは外れています。

ビジネス現場での活用

ITパスポート試験においてこの知識が必要なのは、システムエンジニアやDX推進担当者が、企業の経営層とコミュニケーションをとる必要があるからです。

例えば、顧客企業のIT予算を検討する際や、新たなシステム導入の提案書を作成する際、相手企業の経営状態を把握することは重要です。EDINET(金融庁の電子開示システム)にアクセスし、その企業の有価証券報告書から貸借対照表や損益計算書を読むスキルがあれば、「現在この会社は利益が出ており、新しいシステムへの投資余力がある」といった説得力のある提案ができるようになります。

参考リンク

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