平成26年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問20 解説 グリーンITの取組み
グリーンITの考え方に基づく取組みの事例として,適切なものはどれか。
- ア LEDの青色光による目の疲労を軽減するよう配慮したディスプレイを使用する。
- イ サーバ室の出入口にエアシャワー装置を設置する。
- ウ 災害時に備えたバックアップシステムを構築する。
- エ 資料の紙への印刷は制限して,PCのディスプレイによる閲覧に留めることを原則とする。 ✓ 正答
解説
グリーンITを識別するキーワードは「環境への配慮」
グリーンITとは、情報通信技術(IT)の力を使って地球環境を保護しようという考え方です。選択肢の中から「環境負荷を減らす活動」を探すのが正解への近道です。この問題の場合、紙の消費を抑えることは資源の保護につながるため、グリーンITの取り組みとして適切だと判断できます。
グリーンITの2つの側面
グリーンITには大きく分けて2つのアプローチがあります。これらを理解しておくと、関連する問題が出題されても即座に応用が効きます。
ITの省エネ化(IT機器そのもののグリーン化) IT機器は動かすために多くの電力が必要です。消費電力が少ないCPUやディスプレイの利用、データセンターの冷却効率向上などがこれに該当します。機器を効率化することで、CO2の排出量を抑えます。
ITによる社会の省エネ化(IT活用による環境負荷低減) ITを使って、社会全体のムダを省くアプローチです。今回の正解である「ペーパーレス化」はまさにこれにあたります。印刷を控えることで紙資源を節約し、運送や廃棄に伴う環境負荷を減らします。また、テレビ会議システムを活用して移動を減らし、ガソリン消費を抑えるといった活動もこれに含まれます。
なぜこの知識が試験に出るのか
ITパスポート試験においてこの問題が問われる理由は、現代のビジネスパーソンにとって「環境対応」が避けて通れない経営課題だからです。
多くの企業ではCSR(企業の社会的責任)やSDGs(持続可能な開発目標)の観点から、IT導入時に環境性能を考慮することが求められています。たとえば、サーバを集約して消費電力を下げる提案や、テレワーク環境を整備してオフィスの照明や空調の負荷を減らすといった取り組みは、ITの技術者がビジネスの現場で提案すべき「付加価値」そのものです。単にシステムを動かすだけでなく、地球環境にどのような影響を与えるかを意識できる人材が評価されます。
その他の選択肢が不適切な理由
・LEDの青色光を軽減するディスプレイ: これは利用者の健康や目の保護(エルゴノミクス、人間工学)に関する配慮であり、直接的に環境負荷を低減するグリーンITの定義とは異なります。
・サーバ室の出入口にエアシャワー装置: これはサーバの故障を防ぐための防塵対策(環境維持)であり、サーバ室の効率的な冷却(グリーンIT)とは目的が異なります。
・災害時に備えたバックアップシステム: これはBCP(事業継続計画)に関わる取り組みです。事業の安定性を高める重要な施策ですが、環境保護とは直接関係ありません。