平成26年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問26 解説 監査役の役割
監査役の役割の説明として,適切なものはどれか。
- ア 公認会計士の資格を有して,会社の計算書類を監査すること
- イ 財務部門の最高責任者として職務を執行すること
- ウ 特定の事業に関する責任と権限を有して,職務を執行すること
- エ 取締役の職務執行を監査すること ✓ 正答
解説
監査役の役割を瞬時に見抜くポイント
監査役(かんさやく)という言葉の中に含まれる「監査」というキーワードに注目してください。この役割は、組織の運営において「取締役が正しく仕事をしているか」をチェックする監視役に相当します。選択肢の中から「監視」「チェック」「適法性の確認」といったニュアンスを持つものを選ぶのが正解への最短ルートです。
監査役の定義と機能
監査役は、株主総会で選任される機関であり、取締役の職務執行が法律や定款(会社のルール)に違反していないかを監視します。
- 取締役:経営の意思決定を行い、業務を執行する(プレーヤー)
- 監査役:取締役の判断や業務が適正かを客観的にチェックする(審判)
会社法において、この両者は明確に役割が分けられています。もし取締役が自分たち自身の業務をチェックする仕組みしかなければ、不正や独走が起きた際に誰も止めることができません。そのため、取締役とは独立した立場の監査役が、「それはルール違反ではありませんか?」と警鐘を鳴らす仕組みが重要となります。
なぜ他の選択肢は誤りなのか
選択肢の各内容をITパスポート試験で頻出の役職と照らし合わせると、違いが明確になります。
- 公認会計士の資格について:監査役は計算書類を監査しますが、公認会計士の資格は必須ではありません。監査法人の公認会計士による監査と混同しないよう注意が必要です。
- 財務部門の最高責任者:CFO(Chief Financial Officer)と呼ばれる役職であり、経営資源(お金)の管理を行う立場です。
- 特定の事業に関する責任者:事業部長や、執行役員などが担う役割です。会社全体を監視する監査役とは異なり、現場の成果を最大化することが目的です。
組織ガバナンスにおける位置づけ
ITパスポート試験において、この知識はコーポレートガバナンス(企業統治)の項目で非常に重要です。システム開発やIT部門においても、プロジェクトの進め方が社内規定やコンプライアンスに合致しているかを誰が確認するのか、という議論は日常的に発生します。
「誰が実行し、誰が監視するのか」という役割分担の考え方は、システム開発における「開発担当者」と「品質保証担当者」の関係性と全く同じです。組織運営の基本原則を理解することは、将来、ITプロジェクトを管理する立場になった際にも役立つ、極めて実践的な知見といえます。