平成26年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問25 解説 システム開発の要件定義
システム開発作業において,新たに構築又は再構築する業務の機能を明確にし, それに基づいて情報システム化の範囲とその機能を具体的に明示するプロセスはどれか。
- ア 外部設計
- イ 内部設計
- ウ プログラミング
- エ 要件定義 ✓ 正答
解説
正解の判断根拠
この問題は「何を作るのか」という目的と「どこまでをシステム化するのか」という範囲を定義するプロセスを問うています。システム開発の初期段階で、ユーザーが求める業務上の要件を整理する工程である「要件定義」が正解です。
システム開発の流れと要件定義の役割
システム開発は一般的に、上流工程から下流工程へと段階的に進みます。要件定義は、その中でも最初期に位置する非常に重要なプロセスです。
- 要件定義:顧客が実現したい業務内容を洗い出し、システムで解決すべき機能と範囲を決定する。
- 外部設計(基本設計):要件定義で決まったことを基に、画面のレイアウトや帳票の形式など、ユーザーから見える部分の仕様を具体化する。
- 内部設計(詳細設計):外部設計を基に、プログラムの処理手順やデータベースの構造など、開発者が実装するための内部構造を設計する。
- プログラミング:設計書に従って、実際にコードを記述する。
要件定義が「何をシステム化するか」という『目的』を明確にするのに対し、設計工程は「それをどう実現するか」という『手段』を具体化する作業です。この順番が逆になったり、要件定義が曖昧なまま進んでしまうと、完成したシステムが「顧客が本当に欲しかったものと違う」という重大なトラブルにつながります。
実務現場における要件定義の重要性
この知識は、ITエンジニアとして働く際だけでなく、システムの発注側であるユーザー企業で働く際にも役立ちます。
実際の開発現場では、要件定義の段階で「そもそも手作業でやるべき業務ではないか」「この機能をシステム化すると費用対効果はどうなるか」といった議論が行われます。システムエンジニアには、単に言われた機能を実装するだけでなく、顧客の業務上の課題を深く理解し、ITを活用した解決策を提示するスキルが求められます。
試験問題としての意図は、単なる用語の暗記を越えて「システム開発のどの段階で何を検討すべきか」という全体像を理解しているかを確認することにあります。特に「システム化の範囲を明示する」という点は、プロジェクトの予算や期間(スコープ)を決定づける要因になるため、要件定義の最重要項目の一つとされています。