平成26年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問34 解説 ITガバナンス
企業におけるガバナンスには,ITガバナンスとコーポレートガバナンスなどがある。ITガバナンスの位置付けとして適切な説明はどれか。
- ア ITガバナンスとコーポレートガバナンスは同じ概念である。
- イ ITガバナンスとコーポレートガバナンスは対立する概念である。
- ウ ITガバナンスの構成要素の一つとして,コーポレートガバナンスがある。
- エ ITガバナンスはコーポレートガバナンスにとって,不可欠な要素の一つである。 ✓ 正答
解説
ITガバナンスとコーポレートガバナンスの包含関係を見抜く
この問題は、企業経営における「全体(コーポレートガバナンス)」と「その中の一要素(ITガバナンス)」という包含関係を理解できているかを問うています。 選択肢エが正解となる理由は、企業が目指す全体的な経営目標(コーポレートガバナンス)を達成するために、現代のビジネスではITの活用が不可欠であり、ITが正しく統制されていることが経営全体の健全性に直結するためです。
そもそもガバナンスとは何か
ガバナンス(Governance)とは、日本語で「統治」や「管理」を意味します。企業活動においては、不正を防ぎ、企業価値を最大化し、持続可能な成長を実現するための仕組みのことを指します。
コーポレートガバナンス(企業統治)は、企業全体を対象としたトップレベルの管理手法です。株主や取締役、従業員など、多くの利害関係者に対して企業が健全に運営されていることを示すためのルールや体制を指します。
一方でITガバナンスは、コーポレートガバナンスの傘下に位置します。企業が目標を達成するために「ITをどのように戦略的に活用するか」「ITに関連するリスクをどう制御するか」を組織的に決定し、実行する体制を指します。現代においてITは経営の根幹を支えているため、コーポレートガバナンスを実現する手段としてITガバナンスが不可欠となっているのです。
なぜITガバナンスが重要なのか
ITガバナンスが適切に機能していないと、以下のような事態に陥るリスクがあります。
・経営戦略とIT戦略が乖離し、システム投資が無駄になる ・セキュリティ事故により企業の社会的信用が失墜する ・IT運用にかかるコストがブラックボックス化し、不透明な支出が続く
試験対策としては、ITガバナンスを単なる「コンピュータの管理」と捉えず、「経営戦略を実現するためのIT活用・統制の枠組み」であると広義に解釈することが重要です。ITパスポート試験では、経営戦略とIT戦略が一体となって動くことが理想の状態であるという考え方が根底にあります。実務の現場においても、情報システム部門だけでITを考えるのではなく、経営層がITの重要性を理解し、意思決定に関与する文化を醸成するために、このガバナンスの考え方が活用されています。