平成26年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問84 解説 システムの稼働率計算
図のような構成の二つのシステムがある。システムXとYの稼働率を同じにするためには,装置Cの稼働率を幾らにすればよいか。ここで,システムYは並列に接続した装置Bと装置Cのどちらか一つでも稼働していれば正常に稼働しているものとし,装置Aの稼働率を0.8,装置Bの稼働率を0.6とする。
- 0.3
- 0.4
- 0.5 ✓ 正答
- 0.6
解説
この問題は、直列システムと並列システムの稼働率を計算式に当てはめて、方程式を解くことで正解を導き出せます。手順は以下の通りです。
- システムX(直列)の稼働率を求める。
- システムY(並列)の稼働率を、装置Cの稼働率()を用いた式で表す。
- システムXとシステムYの稼働率が等しくなるように方程式を立て、Cを算出する。
計算の詳細 システムXは装置Aのみの単一構成(あるいは装置A単体)と見なすため、稼働率はそのままです。 システムYは装置Bと装置Cが並列構成です。「並列の場合は全体が停止する確率(不稼働率)を計算する」のがコツです。 装置Bが停止する確率は 装置Cが停止する確率は システムY全体が停止する確率は、両方が同時に停止する場合なので となります。 したがって、システムYが稼働する確率は です。 これがシステムXの と等しくなればよいので、以下の式を解きます。
直列と並列の考え方
システム稼働率の計算では、装置のつながり方を「直列」と「並列」の二通りで考えます。
直列構成 すべての装置が正常に動いて初めてシステム全体が稼働します。稼働率は各装置の稼働率を掛け合わせることで求められます。装置が多いほど、全体の稼働率は低くなります。
並列構成 一つでも装置が正常に動いていればシステム全体は稼働します。この計算では「すべて停止してしまう確率」を求め、それを全体から引くという考え方(1 - 不稼働率の積)が非常に便利です。装置を増やすほど、全体の稼働率を高めることができます。
システム信頼性設計の重要性
この知識は、実際のITインフラ設計における「可用性設計」で極めて重要です。例えば、Webサーバーが1台だけだと、そのサーバーが故障した瞬間にサービスが停止してしまいます(直列構成)。そこで、サーバーを2台並列に並べることで、片方が故障してももう片方が動き続け、サービスを継続できるようになります。これを冗長化と呼びます。
実務では、すべての機器を並列にすれば安心というわけではありません。並列にするほど機器コストやメンテナンスの手間が増えるため、システム全体に求められる目標稼働率と予算のバランスを考慮して構成を決定します。本問のような計算は、目標を達成するために最低限必要な各装置の性能(稼働率)を割り出す際に不可欠な基礎力となります。