ITパスポート試験 / 平成26年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 / 問85
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平成26年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問85 解説 アローダイアグラム

設問図

機械メーカのS社では,製品Xに組み込むソフトウェア(以下,Xソフトという)の開発作業A~Hを表1のように計画した。ここで,前作業とは当該作業を開始する前に終了していなければならない作業のことであり,各作業は前作業が終了すればすぐに開始する。各作業に掛かった費用は,各作業完了時に計上する。 表1 Xソフト開発の作業 (表の内容は省略) 図1は,表1に基づいて作成したアローダイアグラムである。 (図の内容は省略)

  1. ✓ 正答

解説

アローダイアグラムの最短納期を求める手順

この問題は、プロジェクトの開始から終了までに最短で何日かかるかを計算する問題です。アローダイアグラムにおける「最短納期」は、開始から終了までの経路のうち、所要日数の合計が最も長くなる「クリティカルパス」の長さで決まります。

計算の手順は以下の通りです。

  1. アローダイアグラム上のすべての経路を洗い出します。
  2. 各経路について、作業日数の合計を算出します。
  3. 合計日数が最大になる経路(クリティカルパス)を探します。

本問の経路と日数は以下の通りです。

  • 経路A → B → C → H:2+3+4+7=162 + 3 + 4 + 7 = 16
  • 経路A → D → E → H:2+4+5+7=182 + 4 + 5 + 7 = 18
  • 経路A → D → G → H:2+4+6+7=192 + 4 + 6 + 7 = 19
  • 経路A → F → G → H:2+2+6+7=172 + 2 + 6 + 7 = 17

これらの中で最も長い日数は19日となるため、最短納期は19日となります。

クリティカルパスとプロジェクト管理

クリティカルパスとは、プロジェクト全体にかかる期間を左右する重要な経路のことです。この経路上の作業に遅延が発生すると、プロジェクト全体の完了時期も直接的に遅れることになります。そのため、プロジェクトマネージャは、このパスに含まれる作業を最優先で管理・監督する必要があります。

一方で、クリティカルパス以外の作業には「余裕時間(フロート)」があります。余裕時間がある作業であれば、多少の遅れが出ても全体の納期には影響しません。このように、作業に優先順位をつけ、限られたリソースをどこに集中させるべきかを判断するためのツールが、アローダイアグラムやクリティカルパス法です。

実務での活用場面

この考え方は、ソフトウェア開発だけでなく、建築工事やイベント運営など、複数のタスクが複雑に絡み合うあらゆるプロジェクト管理で活用されています。

例えば、Webアプリ開発において、「データベース設計が完了しないとプログラム実装に着手できない」「デザインが確定しないとフロントエンドのコーディングが進まない」といった依存関係がある場合、アローダイアグラムを作成することで、チームがボトルネックを可視化できます。

ITパスポート試験でこの知識が問われるのは、システム開発が「人・物・金・時間」を適切に管理するプロジェクトそのものであることを理解しているか、を確認するためです。複雑な状況下で、プロジェクトの納期を短縮するためにはどの作業を重点的に短縮すべきかという判断力は、ITエンジニアやプロジェクトリーダーにとって不可欠なスキルといえます。

参考リンク

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