平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問14 解説 ABC分析
ABC分析で使用する図として, 適切なものはどれか。
- ア. 管理図
- イ. 散布図
- ウ. 特性要因図
- エ. パレート図 ✓ 正答
解説
選択肢の判断ポイント
ABC分析とは、売上高や在庫金額などの要素を「金額の大きい順」に並べ替え、全体の累積構成比を計算して、重要な項目をA、B、Cのランクに分類する手法です。この分析結果をグラフとして表現する際、項目別の値を示す「棒グラフ」と、累積構成比を示す「折れ線グラフ」を組み合わせたものをパレート図と呼びます。したがって、ABC分析といえばパレート図というセットで覚えるのが最短の正解ルートです。
ABC分析とパレート図の役割
ABC分析は、全体の中でどの項目が最も大きな影響力を持っているかを可視化するための手法です。
例えば、店舗の売上管理で考えてみます。数多くの商品を取り扱っていても、売上の大部分は特定の少数の主力商品によって支えられているケースがほとんどです。このとき、全商品を売上金額順に並べ、累積構成比が0から70パーセントを占めるグループをA、70から90パーセントをB、90から100パーセントをCとランク付けします。
この分析結果をパレート図で描くと、どの商品群に注力すべきかが一目で分かります。「Aグループの商品を切らさないように在庫管理を徹底しよう」「Cグループの商品は取り扱いを見直しても良いかもしれない」といった、具体的で優先順位に基づいた意思決定が可能になります。
ビジネス現場での活用と教育的意図
ITパスポート試験においてこの問題が出題される意図は、単に用語を暗記させることではなく、限られた資源や時間をどこに集中させるべきかという「意思決定の論理」を理解しているかを問うことにあります。
実務において、すべての業務や課題に均等にリソースを割くことは不可能です。システム開発のプロジェクト管理においても、バグの発生原因をパレート図で分析し、最も頻度の高い原因(Aグループ)から先に対処することで、効率的に品質を向上させることが求められます。IT人材には、感覚や経験だけで判断するのではなく、データに基づいた客観的な優先順位付けを行うスキルが不可欠です。この問題を通じて、パレートの法則(全体の数値の大部分は、全体を構成する一部の要素が作り出しているという考え方)を理解しておくことが、他のマネジメント関連の問題を解く際にも強力な武器となります。
各選択肢の解説
他の選択肢についても、それぞれの図の目的を整理しておきましょう。
- 管理図:工程が安定した状態にあるかを監視するために用いられ、中心線と限界線でデータのばらつきを管理します。
- 散布図:2つの項目間に相関関係があるかどうか(一方が増えると他方も増えるか、など)を判断するために用いられます。
- 特性要因図:問題(結果)に対してどのような要因(原因)が影響しているかを魚の骨のような形で整理し、真因を突き止めるために用いられます。