平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問16 解説 顧客生涯価値
経営管理システムのうち, 顧客生涯価値を最大化することを目標の一つとするも のはどれか。ここで, 顧客生涯価値とは, 顧客が生涯を通じてその企業にもたらす ことが予想される利益の大きさのことである。
- ア. CRM ✓ 正答
- イ. ERP
- ウ. SCM
- エ. SFA
解説
正解への判断基準
顧客と企業の関係性に着目し、一過性の取引ではなく長期的な利益の最大化を目指すというキーワードがあれば、迷わずCRM(Customer Relationship Management)を選びます。設問にある「顧客生涯価値」は英語でLTV(Life Time Value)と呼ばれますが、このLTVを高めるための活動こそがCRMの本質です。
CRM(顧客関係管理)とは
CRMは、顧客一人ひとりの属性や購入履歴、問い合わせ内容といった情報を一元管理し、最適なサービスやアプローチを提供することで顧客との関係を深める経営手法です。
顧客は一度商品を買って終わりではありません。企業が顧客のニーズを深く理解し、適切なタイミングでクーポンを配布したり、きめ細かなサポートを行ったりすることで、リピーターとなり、最終的にはその顧客が企業にもたらす利益(LTV)が最大化されます。
他の選択肢が指す経営管理システム
ITパスポート試験では、これら「〇〇M」や「〇〇P」といった用語の違いを問う問題が頻出します。各用語の目的を整理しておきましょう。
イ. ERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画) ヒト・モノ・カネ・情報といった企業の経営資源を統合的に管理するシステムです。「バックオフィス業務の効率化」や「全社的な経営判断」を目的とします。
ウ. SCM(Supply Chain Management:供給連鎖管理) 原材料の調達から製造、物流、販売に至るまでの供給プロセス全体を最適化する手法です。「在庫の適正化」や「物流コストの削減」が主な目的となります。
エ. SFA(Sales Force Automation:営業支援システム) 営業担当者の活動をITで支援するシステムです。商談の進捗状況や訪問記録を共有し、「営業効率の向上」や「成約率のアップ」を目的とします。CRMの一部機能として組み込まれることも多いツールです。
なぜこの知識がビジネスで重要なのか
現代のビジネスでは、新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストよりも5倍高いと言われることがあります(1:5の法則)。そのため、多くの企業が、一度接点を持った顧客と長く良好な関係を築き、いかに利益を最大化するかというCRMの視点を非常に重要視しています。
試験対策としては、単に用語を暗記するだけでなく、「そのシステムは誰の、何の悩みを解決するためのものか」という目的意識を持って整理することが合格への近道です。