平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問81 解説 無線LANの特性
無線LANに関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア PC以外では使用することができない。
- イ アクセスポイントが無くても1対1なら通信できる動作モードがある。 ✓ 正答
- ウ 暗号化の規格は1種類に統一されている。
- エ 障害物が無ければ距離に関係なく通信できる。
解説
正解の選択肢イは、無線LANの接続形態に関する基本知識です。「アクセスポイントを介する方式(インフラストラクチャモード)」と「端末同士が直接通信する方式(アドホックモード)」の2種類があることを知っていれば、即座に正解を選べます。
無線LANの2つの接続方式
無線LANを利用する際、通常はWi-Fiルーター(アクセスポイント)を経由してインターネットや他のデバイスと通信します。これをインフラストラクチャモードと呼びます。
一方、選択肢イで触れられているアドホックモードは、アクセスポイントを用意せず、デバイス同士が直接電波を送受信する仕組みです。例えば、インターネット環境がない屋外や災害時などにおいて、PCやスマートフォン同士を直接つないでデータをやり取りする場合に利用されます。ただし、現在はより高速で安定した通信が可能な「Wi-Fi Direct」という規格が普及しており、日常的に利用されるシーンも増えています。
なぜ他の選択肢は誤りなのか
選択肢ア:PCだけでなく、スマートフォン、タブレット、プリンター、ゲーム機など、無線LANに対応したあらゆる機器で使用可能です。
選択肢ウ:暗号化の規格は歴史とともに進化してきました。古くからあるWEPは現在では脆弱性が高く使用が推奨されず、WPA、WPA2、最新のWPA3など複数の規格が存在します。セキュリティレベルに合わせて適切な規格を選ぶ知識が必要です。
選択肢エ:無線LANで使用する電波(2.4GHz帯や5GHz帯など)は、距離が離れるほど減衰し、通信速度が低下したり接続が切れたりします。また、障害物によっても電波が遮られるため、距離や遮蔽物に関係なく通信できるという記述は誤りです。
実務や試験における学習の意義
この問題は、無線LANが単なる「インターネット接続の道具」ではなく、通信の仕組みとして複数の形態を持ち合わせていることを理解させる意図があります。
実務においては、オフィスや家庭でネットワークを構築する際、セキュリティ設定や電波の届く範囲を考慮する必要があります。また、外出先でフリーWi-Fiを使う場合や、BluetoothやWi-Fi Directを利用して端末間でデータを送る際など、デバイスがどのような通信方式をとっているかを意識することで、トラブルシューティングやセキュリティ対策に役立てることができます。