平成26年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問83 解説 DB構築の実行順序
関係データベースの構築を次のa〜cの工程で行うとき,実行順序として適切なものはどれか。 a 管理するデータ項目の洗い出し b 対象業務の分析 c 表の作成
- ア a → b → c
- イ b → a → c ✓ 正答
- ウ b → c → a
- エ c → a → b
解説
データベース構築の論理的な手順
この問題は、システム開発の一般的な流れを理解しているかを問うものです。データベースを構築する際は、「何のために(目的)」→「何を(データ)」→「どうやって(構造)」という順序で進めるのが鉄則です。
- まず、対象業務の分析(b)を行い、業務全体でどのような情報が必要かを把握します。
- 次に、分析結果に基づいて具体的なデータ項目(属性)の洗い出し(a)を行います。
- 最後に、洗い出したデータ項目を整理し、関係データベースの表(テーブル)を作成(c)します。
したがって、正解は「b → a → c」となります。
業務分析からデータ設計へのステップ
データベース設計は、いきなり表を作ることから始めてはいけません。以下の順序で進めることで、手戻りのない堅牢なデータベースを作ることができます。
1. 対象業務の分析(ビジネスの理解)
データベースは単なるデータの入れ物ではなく、業務を支える基盤です。まずは「その業務にはどんな登場人物(エンティティ)がいるのか」「どのようなイベントが発生し、データが流れるのか」を理解しなければなりません。この工程を疎かにすると、後の工程で「必要な項目が足りない」という事態が発生します。
2. データ項目の洗い出し(要件定義)
分析した業務の中から、システムとして保持すべき項目を抽出します。例えば「顧客管理」であれば、顧客名、住所、電話番号、メールアドレスなどです。ここで、どの項目を必須とするか、一意に識別できる値(主キー)はどれかを検討します。
3. 表の作成(論理設計)
洗い出した項目を実際のテーブルに落とし込みます。正規化という手法を用いてデータの重複を排除し、効率的で整合性の取れた表構造を定義します。この段階で初めて、SQLなどを用いた具体的な構築が可能になります。
実務におけるデータベース設計の重要性
この知識は、小規模なアプリ開発から企業の基幹システム構築まで、あらゆるIT現場の基礎となります。特に「分析→設計→実装」という手順を意識することは、プログラミングやSQLの操作以前に不可欠なエンジニアの素養です。
現場では、この手順が適切に行われていないと、システム運用開始後に「データの更新に時間がかかる」「関連するデータが矛盾している」といった深刻な不具合が発生しやすくなります。ITパスポートで学ぶこの基本的な流れは、将来的にデータベース設計の専門性を高めていく際の第一歩となります。