平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問9 解説 ベンダ選定の重み付け評価
表は、ベンダ4社の提案書を管理面,技術面,価格面のそれぞれについて評価した 値である。管理面,技術面,価格面の各値に重み付けをし,その合計が最高点のベ ンダを調達先に選定するとき,選定されるベンダはどれか。
- ア A社 ✓ 正答
- イ B社
- ウ C社
- エ D社
解説
各ベンダの「評価値」に、項目ごとの「重み」を掛け合わせ、それらを合算した合計得点を比較します。最も高い合計得点を得たベンダが選定されます。
加重平均による選定プロセスの計算
この問題では、単純な合計点ではなく、各項目に重要度(重み)を設定した「加重評価」を行います。各社の評価値に重みを掛けて、その合計を算出する手順は以下の通りです。
A社の合計点
B社の合計点
C社の合計点
D社の合計点
各社の合計点を比較すると、A社が33点、B社が30点、C社が32点、D社が30点となります。したがって、最高点である33点を獲得したA社が調達先として選定されます。
加重評価を用いた意思決定の重要性
この問題で使われている手法は、ビジネスシーンにおける意思決定の合理性を高めるためのものです。システム開発などの調達(プロキュアメント)において、単に「価格が安いから」という理由だけで発注先を決めてしまうと、技術力が不足していてプロジェクトが破綻したり、管理がずさんで納期が遅れたりするリスクがあります。
そこで、あらかじめ「自社にとってどの要素がどれくらい重要か」を数値(重み)として定義しておきます。この問題の例では、価格面の重みが5であるのに対し、管理面の重みは2となっています。これは、このプロジェクトにおいては「管理のしやすさよりも、コストパフォーマンスを最重視する」という方針が明確に反映されていることを意味します。
このように、複数の評価軸がある場合に数値化して比較する手法を導入することで、選定者の主観や好みに左右されない、客観的で説明責任を果たせる選定が可能になります。
実務での活用シーン:RFP(提案依頼書)の評価
実際のITプロジェクトでは、ベンダに対してRFP(提案依頼書)を提示し、それに対して返ってきた提案書を評価する際にこの手法がよく使われます。
例えば、以下のような場面でこの知識が活用されます。
評価基準の策定 提案を受け取る前に、評価項目とそれぞれの配点(重み)を決定します。これを事前に決めておくことで、特定のベンダをひいきにするような不正を防ぎます。
スコアリング 複数の審査員が各項目を採点し、その平均値に重みを掛けて集計します。
総合評価落札方式 公共事業などの入札でも、価格だけでなく技術力などの要素を総合的に数値化して落札者を決める仕組みが導入されています。
ITパスポート試験においてこのような計算問題が出題されるのは、ITの知識だけでなく、こうした計数管理に基づいた論理的なビジネス判断ができる能力を求めているためです。