ITパスポート試験 / 平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 / 問8
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平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問8 解説 DFDと業務プロセス

設問図

問8 図のDFDで示された業務Aに関する, 次の記述中のaに入れる字句として, 適切なものはどれか。ここで, データストアBの具体的な名称は記載していない。 業務Aでは, 出荷の指示を行うとともに, a などを行う。

  1. ア. 購買関連のデータストアから, 注文のあった製品の注文情報を得て, 発注先に対する発注量の算出
  2. イ. 顧客関連のデータストアから, 注文のあった製品の売上情報を得て, 今後の注文時期と量の予測
  3. ウ. 製品関連のデータストアから, 注文のあった製品の価格情報を得て, 顧客の注文ごとの売上の集計 ✓ 正答
  4. エ. 部品関連のデータストアから, 注文のあった製品の構成部品情報を得て, 必要部品の所要量の算出

解説

DFD(データフロー図)の読み解き方は、対象となるプロセス(円)に「何が入ってきて、何が出ていくか」という矢印の向きを正確に把握することに尽きます。本問では業務Aから出力されている売上報告というキーワードと、入力されている注文情報、そしてデータストアBから得られる情報の整合性を確認することで正解を導き出せます。

業務フローとデータの入出力を整理する

DFDにおける各記号の意味を確認しながら、業務Aの役割を分析しましょう。

  1. 顧客から業務Aへ:注文情報が流れています。
  2. 業務Aから出荷部へ:出荷指示が流れています。
  3. 業務Aから管理部へ:売上報告が流れています。
  4. データストアBから業務Aへ:何らかの情報が参照されています。

ここで注目すべきは、業務Aのアウトプットの一つである売上報告です。売上を報告するためには、注文情報に含まれる「どの製品を、いくつ注文したか」というデータに加えて、その製品の「単価(価格情報)」が必要になります。

したがって、業務AがデータストアBから受け取っている情報は、製品の価格情報であると推測するのが最も自然です。これらを組み合わせて「顧客の注文ごとの売上を集計」し、管理部へ報告していると考えられます。

各選択肢の検討

ア. 購買関連のデータストアから発注先への発注量を算出する業務は、通常「発注業務」や「仕入管理」に該当します。今回の図にある「出荷指示」や「売上報告」というアウトプットと矛盾します。

イ. 売上情報から今後の注文時期と量を予測する業務は、過去のデータを分析する「需要予測」などの工程です。図の業務Aは、現在の注文情報に対してリアルタイムに出荷の指示や売上の報告を行っているため、将来予測の業務とは性質が異なります。

ウ. 正解です。製品関連のデータストアから価格情報を得れば、受け取った注文情報と掛け合わせることで売上の集計が可能です。これは管理部への売上報告というデータフローと完全に一致します。

エ. 部品構成情報(BOM)から必要部品の所要量を算出する業務は、製造業における「生産管理」や「資材所要量計画(MRP)」の範疇です。出荷指示や売上報告を行う販売管理のプロセスとは別のレイヤーの業務です。

DFDが実務で果たしている役割

DFDは、複雑なビジネスプロセスを「データの流れ」という観点でシンプルに可視化するためのツールです。ITパスポート試験でDFDが出題される背景には、情報システムを設計・運用する上で、業務の全体像を構造的に理解する能力が求められているという意図があります。

実際のシステム開発の現場では、ユーザー(業務担当者)とシステムエンジニアの間で認識のズレが起きがちです。言葉だけで「売上の処理をします」と言っても、人によって「レジを打つこと」を指すのか「帳簿をつけること」を指すのか曖昧さが残ります。

DFDを用いることで、「この業務には商品マスタ(データストア)が必要だ」「このタイミングで管理部へ通知が飛ぶはずだ」といった仕様を、図解を通じて客観的に共有できます。この共通認識こそが、バグの少ない、業務に即したシステムを作るための第一歩となります。

参考リンク

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