ITパスポート試験 / 平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 / 問7
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平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問7 解説 BCPとBCM

設問図

地震,洪水といった自然災害,テロ行為といった人為災害などによって企業の業務が停止した場合,顧客や取引先の業務にも重大な影響を与えることがある。こうした事象の発生を想定して,製造業のX社は次の対策を採ることにした。対策aとbに該当する用語の組合せはどれか。 〔対策〕 a 異なる地域の工場が相互の生産ラインをバックアップするプロセスを準備する。 b 準備したプロセスへの切換えがスムーズに行えるように,定期的にプロセスの試験運用と見直しを行う。

選択肢図
  1. ア. ✓ 正答
  2. イ.
  3. ウ.
  4. エ.

解説

対策aは「計画の策定」、対策bは「運用と改善」に注目して判断します。災害時に事業を継続するための具体的な手順(計画)を準備することはBCP(事業継続計画)に該当し、その計画を実効性のあるものにするために訓練や見直しを繰り返すマネジメント活動全体はBCM(事業継続マネジメント)に該当します。したがって、正解はアです。

BCPとBCMの違い

企業が予期せぬ事態に直面した際、損害を最小限に抑えつつ事業を継続・早期復旧させるための取り組みには、計画そのものと、それを管理する仕組みの二段階があります。

BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)

BCPは、緊急事態が発生した際に「誰が」「何を」「どうするか」をあらかじめ定めた計画書のことです。この問題の対策aにある「異なる地域の工場が相互の生産ラインをバックアップするプロセスを準備する」という内容は、まさに復旧のための具体的な手段を計画に盛り込む作業であり、BCPの典型的な例です。

BCM(Business Continuity Management:事業継続マネジメント)

BCMは、策定したBCPを形骸化させないための運用体制を指します。計画を一度立てて終わりにするのではなく、PDCAサイクルを回して継続的に改善していく活動です。対策bにある「プロセスの試験運用(教育・訓練)」や「見直し(評価・改善)」は、計画を常に最新かつ実行可能な状態に保つための管理活動であるため、BCMに該当します。

混同しやすい用語:BPR

選択肢にあるBPR(Business Process Re-engineering)についても理解を深めておきましょう。BPRは、業務の本来の目的に立ち返り、既存の組織やビジネスプロセスを根本から再構築することを指します。主に業務効率の劇的な向上やコスト削減を目指して行われるもので、災害対策を主目的とするBCPやBCMとは文脈が異なります。

なぜこの知識が求められるのか

ITパスポート試験においてBCPやBCMが頻出するのは、現代の企業活動がITシステムや複雑なサプライチェーンに強く依存しているからです。

例えば、ある部品メーカーが被災して生産が止まれば、それを利用する完成車メーカーのラインも止まり、最終的には顧客への納車が遅れるといった連鎖的な影響が発生します。問題文にある「顧客や取引先の業務にも重大な影響を与えることがある」という記述は、現代のビジネスにおける相互依存関係の深さを表しています。

こうしたリスクを想定し、ITシステムの二重化や代替拠点の確保といった「ITの備え」だけでなく、組織全体として「事業を止めない仕組み」を理解している人材が、今の企業では強く求められています。この問題は、単なる用語の暗記ではなく、計画(Plan)と運用管理(Management)をセットで捉える重要性を伝える意図があります。

参考リンク

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