平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問23 解説 CADの活用事例
CADを活用した業務改善の事例として,適切なものはどれか。
- ア 商品にICタグを取り付け,出荷監視することによって,在庫管理を自動化する。
- イ 生産ラインに温度センサを設置し,温度監視を行って,生産に適した温度が維持されるように制御する。
- ウ 設計情報をデータベース化しておき,設計図面を共有・再利用する。 ✓ 正答
- エ ロボットを利用して生産ラインを自動化し,工場を無人化する。
解説
正解の決め手
CAD(Computer Aided Design)は「コンピュータを用いた設計支援」を意味する言葉です。選択肢の中から、設計に関連する唯一の項目である「ウ」を選ぶのが正解への最短ルートです。他の選択肢は、それぞれITを活用した別の業務改善手法を指しています。
CADの役割と業務効率化の仕組み
CADは、従来手描きで行われていた図面作成をコンピュータ上で行うためのツールです。CADを導入するメリットは、単に絵をきれいに描けることだけではありません。最大の利点は設計情報が「データ」として蓄積されることにあります。
設計図面をデータとしてデータベースで一元管理すれば、過去の図面を検索して取り出し、一部を修正して新しい設計に流用することが容易になります。これを「設計の再利用」と呼び、ゼロから図面を描く手間を省くことで、開発期間の短縮や人為的ミス(描き間違いなど)の削減という大きな業務改善効果が期待できます。
その他の選択肢が指す用語
ITパスポート試験では、CAD以外のキーワードとの混同を避けることも重要です。各選択肢の技術が何を指しているかを確認しておきましょう。
・ア:RFIDやIoTの活用 商品にICタグ(RFID)を付け、電波で情報を読み取る技術です。在庫管理の自動化や物流の追跡によく用いられます。
・イ:FA(Factory Automation)における制御技術 温度センサからのデータに基づき、機械が自動的に空調やヒーターを調整する技術です。これは生産現場の「品質管理」や「自動制御」にあたります。
・エ:ロボティクスや生産管理システム ロボットアームなどの導入による生産の自動化です。省人化や人件費の削減、品質の均一化を目的とした工場全体のIT活用です。
これらはすべて広義の生産管理システム(CIMやFAなど)に含まれますが、CADとは役割が明確に異なります。CADは「設計」、FAは「製造」、ICタグは「物流・在庫管理」と、業務プロセスの中でどの工程に使われるものかを整理しておきましょう。
実務での活用シーン
設計現場では、CADデータに部品情報や材料情報を紐付けて管理するPDM(Product Data Management)というシステムが導入されることもあります。これにより、設計図面を更新した際に、その部品を使うすべての製品図面へ自動的に変更が反映されるといった高度な連携が可能になります。こうしたツールを使いこなすことは、現代の製造業において納期遵守やコスト低減を実現するための必須スキルとなっています。