ITパスポート試験 / 平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 / 問39
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平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問39 解説 ITガバナンスの目的

企業におけるIT統制に関する次の記述中のaに入れる最も適切な字句はどれか。 企業は,経営戦略に沿って組織体の a に向けて,効果的なIT戦略を立案し,その戦略に基づき情報システムの企画・開発・運用・保守というライフサイクルを確立している。この情報システムにまつわるリスクを低減するために,IT統制を整備・運用している。

  1. ア ITガバナンスの実現 ✓ 正答
  2. イ システム監査の実施
  3. ウ 情報リテラシの確立
  4. エ ソフトウェア開発標準の制定

解説

選択のポイント

問題文中の「経営戦略に沿って」「組織体の~に向けて」というフレーズに着目します。組織全体が目標を達成するために、ITをどのように活用し、管理していくかを統制する仕組みを指す用語を選べば正解にたどり着けます。

ITガバナンスとは何か

ITガバナンスとは、経営陣がIT投資の価値を最大化し、リスクを最小化するために行う組織的な仕組みや体制のことです。

企業活動において、ITは単なる事務作業の道具ではなく、売上拡大や業務効率化を実現するための戦略的な武器となっています。しかし、戦略なしにITを導入しても期待した効果は得られず、かえってシステムの乱立や情報漏洩などのリスクを生む可能性があります。

そこで、「経営戦略(何を実現したいか)」と「IT戦略(そのためにどうシステムを構築するか)」を紐付け、組織の目標達成を確実にすることが求められます。この「ITを正しく管理し、組織を正しい方向に導くための枠組み」こそがITガバナンスの役割です。

なぜ他の選択肢では不十分なのか

ITガバナンス以外の用語は、すべてITガバナンスを実現するための手段や、特定の業務プロセスの一部です。

・システム監査:構築・運用されたシステムが、適正に管理されているかを第三者が検証する活動です。あくまでチェック機能であり、戦略立案そのものではありません。 ・情報リテラシ:情報を活用する個人の能力を指します。組織全体の統制手法ではありません。 ・ソフトウェア開発標準:開発の手順を統一するためのルールです。開発現場の効率化には役立ちますが、経営戦略と結びついたIT全体の統制とは視点が異なります。

これらはすべて、ITガバナンスという大きな傘の下で行われる活動の一部と捉えると整理しやすいでしょう。

この知識が役立つ場面

実際のビジネス現場では、IT部門が単独でシステムを決めるのではなく、経営層が「企業としてどのような価値を提供したいか」を明確にし、それに基づいてIT戦略が決定されます。

この問題の教育的意図は、ITパスポートの受験者が「IT=PC操作」という狭い視点から脱却し、「IT=経営を実現するための統制対象」という、経営者の視点を持てるようになることにあります。IT部門に所属する方だけでなく、営業や企画など他の職種であっても、システム導入の背景には必ず経営戦略が存在するという意識を持つことは、DXを推進する上での大きな強みとなります。

参考リンク

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