平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問40 解説 オフィス施設の安全性
ITを利用するオフィスの施設管理の目的には,コスト削減や快適性,安全性,機密性の確保などがある。安全性の確保に関する施策として,最も適切なものはどれか。
- ア 耐震対策や避難通路の確保 ✓ 正答
- イ 電力消費の少ないIT機器の採用
- ウ 机・椅子,音や光などの環境の整備
- エ 入退出管理などのセキュリティ対策の実施
解説
設問の判断基準
この問題は、施設管理の目的である「安全性」と「機密性」の定義を区別することで正解を導き出せます。「安全性」は物理的な災害(地震、火災など)から人命や設備を守ることを指し、「機密性」は情報漏洩を防ぐことを指します。したがって、耐震対策など物理的な災害対策を指す選択肢アが正解となります。
施設管理における「安全性」と「セキュリティ」の違い
ITパスポート試験において、施設管理は単にオフィスを維持するだけでなく、経営資源としての価値を最大化する目的があります。それぞれの選択肢を整理すると、施設管理の目的がより明確になります。
・安全性(ア) 地震、火災、浸水などの災害から、人命や企業の重要資産を物理的に守ることを指します。オフィス環境においては、倒壊防止の耐震施工や、万が一の際の避難経路確保、消火設備の整備などが該当します。
・コスト削減(イ) 電力消費の少ないIT機器への入れ替えや、オフィスの省エネ化(LED化や空調の効率化)は、管理コストの低減につながります。
・快適性(ウ) 作業効率を上げるための環境整備を指します。人間工学に基づいたデスクやチェアの選定、適切な照度、静音性の確保などが含まれます。働く人のパフォーマンスを維持し、健康を守ることも施設管理の重要な役割です。
・機密性(エ) 情報セキュリティの一部です。入退室管理システムによる「物理的セキュリティ」は、確かに安全性と関わりがありますが、ITパスポートの文脈では「許可されていない者がオフィスに入り、情報を盗み見たり機器を破壊したりすることを防ぐ(機密性・可用性の確保)」という意味合いで整理されることが一般的です。
現場で求められる施設管理の視点
このような知識は、実際のビジネス現場で「BCP(事業継続計画)」を策定する際に直結します。災害が発生した際に、どのオフィス機能を守るべきか、避難経路は適切か、という議論は施設管理の基本です。
試験対策としては、単に「正解はア」と覚えるのではなく、オフィスを「人命を守る箱」と「情報を守る箱」の二面性で捉える習慣をつけると、関連するセキュリティの問題も解きやすくなります。