ITパスポート試験 / 平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 / 問42
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平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問42 解説 ソフトウェア保守

ソフトウェア保守に該当するものはどれか。

  1. ア 新しいウイルス定義ファイルの発行による最新版への更新 ✓ 正答
  2. イ システム開発中の総合テストで発見したバグの除去
  3. ウ 汎用コンピュータで稼働していたオンラインシステムからクライアントサーバシステムへの再構築
  4. エ プレゼンテーションで使用するPCへのデモプログラムのインストール

解説

この問題は、ソフトウェア開発のライフサイクルにおける「保守」という言葉の定義を正しく理解しているかを問うものです。

正解を選ぶための判断基準は、その作業が「本稼働後のシステムに対して行われるものか」という点に尽きます。システムが利用者に提供され、動き出してから発生する修正や改善こそがソフトウェア保守です。

ソフトウェア保守とは何か

ソフトウェア開発は、要件定義から始まり、設計、プログラミング、テストを経てシステムをリリースします。リリース(稼働開始)したあとのシステムを使い続けるためには、さまざまな対応が必要になります。これらを総称して「ソフトウェア保守」と呼びます。

保守の主な目的は以下の3点です。

  1. 修正保守:稼働後に見つかった潜在的なバグ(不具合)を取り除くこと。
  2. 適応保守:OSのバージョンアップや、外部環境の変化(ウイルス定義ファイルの更新、消費税率の変更など)に合わせてプログラムを調整すること。
  3. 完全化保守:ユーザーからの要望に基づき、機能を追加したり処理速度を向上させたりして、システムをより使いやすくすること。

今回の問題の選択肢アにある「ウイルス定義ファイルの更新」は、日々新しく登場する脅威からシステムを守るための「適応保守」に該当します。

なぜ他の選択肢は間違いなのか

イは「システム開発中の総合テスト」とあります。開発中のプログラム修正は、まだ完成品が引き渡される前の工程であり、これは「開発」の一部であって「保守」ではありません。

ウは「再構築」とあります。既存のシステムを捨てて新しい仕組み(クライアントサーバシステム)へ移行する行為は、保守というよりは「システム更改」や「マイグレーション」と呼ばれる大規模なプロジェクトです。

エは「デモプログラムのインストール」です。これは一時的な準備作業であり、システムの運用期間中に行う継続的な維持管理作業とは性質が異なります。

ソフトウェア保守の視点を持つ重要性

ITパスポート試験においてこの問題が出題される意図は、ITシステムは「作って終わり」ではないことを理解させる点にあります。

実際の現場では、システムを開発する期間よりも、リリース後に運用保守を行う期間の方が圧倒的に長くなります。運用保守のコストはシステム全体の総コスト(TCO:Total Cost of Ownership)の多くを占めます。そのため、エンジニアやIT管理者は「いかに効率よく、安全に保守を継続するか」という視点を持つことが極めて重要です。

この知識は、社内システムやスマホアプリのアップデート画面を見たときに、「あ、これは適応保守が行われているんだな」と技術的な背景を読み解く力に直結します。試験対策としてはもちろん、実務においても、システムが健全に動き続けるための仕組みを理解する第一歩となります。

参考リンク

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