平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問54 解説 データベース設計
関係データベースの設計に関する説明において, a~cに入れる字句の適切な組 合せはどれか。 対象とする業務を分析して, そこで使われるデータを洗い出し, 実体や a から成る b を作成する。作成した b をもとに, c を設計する。
- ア
- イ
- ウ ✓ 正答
- エ
解説
この問題は、データベース設計の標準的な手順を理解しているかを問うものです。正解はウとなります。
解き方のポイントは、データベース設計の流れを「概念設計から論理設計へ」という順序で捉えることです。業務分析で得られた情報を整理するツールはE-R図であり、そのE-R図をもとにシステムとして実装可能なテーブル(表)を設計するというステップを記憶していれば、迷わず選択できます。
データベース設計の基本プロセス
データベースを構築する際は、いきなり表(テーブル)を作るのではなく、以下のような段階を踏んで設計を行います。
概念設計(E-R図の作成) 対象となる業務の世界を整理します。何と何がどう関係しているかを可視化する工程です。「実体(エンティティ)」と、それらをつなぐ「関連(リレーションシップ)」を洗い出し、E-R図にまとめます。
論理設計(テーブルの設計) 概念設計で作成したE-R図の内容を、リレーショナルデータベース(RDB)で扱うための「テーブル」形式に変換します。各データにどのような項目(属性)を持たせ、どの項目を主キーにするかなどを決定します。
この流れにおいて、aには「関連」、bには「E-R図」、cには「テーブル」が入るのが自然な構成となります。
なぜこの知識が重要なのか
ITの現場において、データベース設計はシステムの基盤となる非常に重要な作業です。もし、業務内容を整理しないままテーブル設計を始めてしまうと、データの重複が発生したり、必要なデータが取得できなかったりする不整合が起こります。
E-R図を使って「このデータとあのデータは、こういうルールでつながっている」という共通認識を設計段階で持っておくことは、開発者や利用者がシステムを正しく理解し、運用しやすくするために不可欠です。試験だけでなく、実際のシステム開発の現場でも「まずは業務を概念モデルとして整理する」という思考プロセスは、設計の品質を左右する基礎体力のようなものです。