平成27年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問60 解説 マルチキャスト
ネットワーク機器がパケットを複製して, 複数の宛先に送ることを何というか。
- ア DNS
- イ URL
- ウ マルチキャスト ✓ 正答
- エ マルチリンク
解説
この問題は、通信方式の種類を問う知識問題です。「パケットを複製して複数の宛先に送る」というキーワードを見つけたら、通信方式の分類であるユニキャスト、ブロードキャスト、マルチキャストの違いを思い浮かべることが正解への最短ルートです。
通信方式の種類とマルチキャストの役割
ネットワークにおけるデータ通信は、送信先によって呼び方が変わります。
・ユニキャスト:1対1の通信。特定の相手にだけ送ります。 ・ブロードキャスト:1対全の通信。ネットワーク内のすべての機器に送ります。 ・マルチキャスト:1対特定のグループへの通信。あらかじめグループに参加している複数の宛先に向けて、効率的にデータを届けます。
問題文にある「パケットを複製して」という点は、マルチキャストの重要な特徴です。送信元はデータを1つ送るだけで、途中のルータなどのネットワーク機器がデータを複製し、グループに参加している各端末へ配送します。これにより、同じデータを個別の宛先に何度も送る必要がなくなり、ネットワークの帯域を節約できます。
なぜこの知識が重要なのか
マルチキャストは、現代のネットワークサービスにおいて非常に重要な役割を果たしています。代表的な例は、ライブ配信やIPテレビ放送です。
もし数千人が同時にライブ映像を視聴する場合、ユニキャストで全員に個別にデータを送ると、送信元に膨大な負荷がかかり、ネットワークもパンクしてしまいます。マルチキャストを活用すれば、データは途中で分岐しながら複数の視聴者に届くため、送信元の負荷を抑えつつ、効率的な配信が可能になります。
ITパスポート試験において、この知識はネットワークの基礎用語としてだけでなく、システム設計における効率化の考え方を問う問題として頻出します。単に言葉を暗記するだけでなく「なぜその方式を使うと効率が良いのか」という仕組みの部分を理解しておくと、関連する応用問題にも強くなれます。
誤選択肢の解説
ア:DNSは、ドメイン名とIPアドレスを変換する仕組みです。通信方式ではありません。 イ:URLは、Web上のリソースの場所を指定する文字列のことです。 エ:マルチリンクは、複数の回線を束ねて一本の高速な回線のように見せる技術です。通信方式ではありません。