平成27年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問9 解説 労働者の就業形態
商品の販売業務を行う労働者の就業形態のうち,販売業務を行う会社と雇用関係のある者を全て挙げたものはどれか。 a アルバイト b 契約社員 c 派遣社員 d パートタイマ
- ア a, b
- イ a, b, d ✓ 正答
- ウ b
- エ b, c
解説
この問題は、雇用契約の相手方がどこであるかを見極めることで正解を導き出せます。販売業務を行う会社と「直接雇用関係」にあるのは、アルバイト、契約社員、パートタイマの3者です。一方で、派遣社員は「派遣会社(派遣元)」と雇用契約を結んでいるため、販売業務を行う会社(派遣先)とは雇用関係にありません。
直接雇用と派遣契約の違い
労働形態を考える際、誰と契約し、誰から給与を受け取り、誰から指揮命令を受けるのかという関係性を整理することが重要です。
直接雇用とは、企業と労働者が直接、雇用契約を結ぶ形態を指します。アルバイト、契約社員、パートタイマは名称こそ異なりますが、いずれも業務を行う会社と直接契約を締結しており、労働基準法などの労働関係法令に基づいた保護をその会社から直接受ける立場にあります。
これに対して、派遣社員は少し特殊な構造をしています。派遣社員は、自らが登録している「派遣元会社」と雇用契約を結んでいます。そして、その派遣元会社が「派遣先会社(実際に業務を行う会社)」と労働者派遣契約を結ぶことで、派遣社員は派遣先で働くことになります。
つまり、派遣社員にとって、実際に働いている職場(販売業務を行う会社)は、雇用契約上の相手方ではなく、あくまで「指揮命令を受ける場所」となります。この「雇用主(派遣元)」と「指揮命令者(派遣先)」が異なるという仕組みが、派遣契約の最大の特徴です。
組織管理におけるこの知識の重要性
ITパスポート試験においてこの問題が問われる理由は、システム開発や保守の現場においても、この「雇用形態の違い」が非常に重要になるからです。
例えば、あるプロジェクトにおいて、企業が社外のリソースを活用する場合、相手が直接雇用のスタッフなのか、それとも派遣スタッフなのか、あるいは業務委託先の人員なのかを正しく理解しておく必要があります。
特に情報セキュリティの観点では、委託先や派遣先の人員に対して、社内ルールやアクセス権限をどう適用するか、あるいは個人情報の取り扱いに関する契約をどう締結するかという判断が求められます。ITの現場では多様な働き方をする人材が混在するため、誰が自社の直接の雇用責任下にあるのか、誰が契約に基づいた業務遂行のパートナーなのかを切り分けることは、コンプライアンス遵守の基礎となります。
また、労働法規に関する知識は、将来的にプロジェクトマネージャとしてチームを組成する際や、法務部門と連携して契約形態を検討する際に不可欠なスキルとなります。