平成27年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問23 解説 プロダクトイノベーション
イノベーションは,大きくプロセスイノベーションとプロダクトイノベーションに分けることができる。プロダクトイノベーションの要因として,適切なものはどれか。
- ア 効率的な生産方式
- イ サプライチェーン管理
- ウ 市場のニーズ ✓ 正答
- エ バリューチェーン管理
解説
プロダクトイノベーションとプロセスイノベーションの識別
この問題は、イノベーションの種類を「製品(プロダクト)」か「工程(プロセス)」かに分類する知識を問うています。 プロダクトイノベーションは「何を売るか(製品の革新)」、プロセスイノベーションは「どう作るか・どう運ぶか(方法の革新)」に注目します。選択肢の中で、市場のニーズを汲み取り新しい製品を創出することは「何を売るか」に直結するため、正解はウとなります。
プロダクトイノベーションとは何か
プロダクトイノベーションとは、これまでにない新しい製品やサービスを開発したり、既存製品に大きな改良を加えたりして、顧客に新しい価値を提供することを指します。
例えば、携帯電話からスマートフォンへの進化は、まさにプロダクトイノベーションの代表例です。単なる通話端末から、インターネット、カメラ、アプリ利用など、製品そのものが提供する価値の範囲が劇的に変化しました。この背景には、常に「もっと便利に情報を扱いたい」「写真をきれいに残したい」といった市場のニーズが存在しています。
プロセスイノベーションとの違い
一方、プロセスイノベーションは、製品そのものではなく「製造方法」や「サービス提供のプロセス」を革新することです。
選択肢にある「効率的な生産方式(ア)」「サプライチェーン管理(イ)」「バリューチェーン管理(エ)」は、いずれも「いかにコストを抑えるか」「いかに早く顧客に届けるか」といった、手段の最適化を指します。これらは、製品をより効率的に生み出し、届けるための工夫であるため、プロセスイノベーションに分類されます。
ビジネス現場での活用と教育的意図
企業が競争力を維持するためには、この両輪を回すことが不可欠です。市場の変化に合わせて魅力的な製品を生み出すプロダクトイノベーションを行っても、製造コストが高すぎれば利益が出ません。逆に、製造プロセスをどれほど効率化しても、世の中に求められていない製品を作ってしまえば売れません。
ITパスポート試験でこの知識が問われるのは、ITを活用したビジネス変革(デジタルトランスフォーメーションなど)を考える際に、そのIT技術が「製品を新しくするために使われているのか」、それとも「業務効率化のために使われているのか」を整理して捉える能力が求められているからです。現代のビジネスでは、ITを駆使して新しいサービス(プロダクト)を創出しつつ、同時にAIやロボットで業務フロー(プロセス)を効率化するという両面のアプローチが標準的となっています。