ITパスポート試験 / 平成27年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 / 問38
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平成27年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問38 解説 サービスレベル管理

新たなシステムの運用に当たって, サービスレベル管理を導入した。サービスレ ベル管理の目的に関する記述のうち, 適切なものはどれか。

  1. ア サービスの利用者及び提供者とは独立した第三者がサービスを監視し, サービ スレベルが低下しないようにするためのものである。
  2. イ サービスレベルを利用者と提供者が合意し, それを維持・改善するためのもの である。 ✓ 正答
  3. ウ 追加コストを発生させないことを条件に, 提供するサービスの品質レベルを上 げるためのものである。
  4. エ 提供されるサービスが経営に貢献しているレベルを利用者が判断するためのも のである。

解説

サービスレベル管理(SLM)のキーワードは合意と継続的改善

この問題は、サービスレベル管理(SLM: Service Level Management)の定義そのものを問う問題です。「何のために行うのか」という目的を理解していれば、迷わず選択肢イを選べます。

正解の判断根拠は、ITIL(ITサービスマネジメントの成功事例集)において、サービスレベル管理の目的が「ITサービスの提供者と利用者の間で、サービスレベルを合意し、それを維持・改善すること」と定義されている点にあります。他の選択肢は、第三者監視(ア)、コスト度外視(ウ)、利用者による経営貢献度の評価(エ)となっており、SLMの本来の役割から逸脱しています。

サービスレベル管理(SLM)とは何か

サービスレベル管理とは、ITサービスが、合意した品質(サービスレベル)どおりに提供され続けているかを管理する活動です。ここでいうサービスレベルとは、具体的には以下のような内容を指します。

・システムの稼働率(「24時間365日動いていること」や「99.9%以上の可用性」など) ・障害発生時の対応時間(「問い合わせから1時間以内に一次回答する」など) ・処理速度(「画面表示を3秒以内にする」など)

これらの項目をサービス提供者(IT部門など)と利用者(顧客や事業部門)の間で話し合い、文書としてまとめたものをSLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意書)と呼びます。SLMとは、このSLAに基づき、目標が達成されているかを監視し、未達の場合は改善策を講じるプロセスを指します。

なぜSLMが必要なのか

ITシステムは一度作って終わりではありません。むしろ、運用が始まってからのほうが期間も長く、コストもかかります。しかし、単に「システムを動かす」ことだけを目的にすると、提供者側は「動いていればいいだろう」と考え、利用者側は「もっと速く、もっと便利に」という期待を持つようになり、両者の間に認識のズレが生じます。

SLMを導入することで、互いに「ここまでやれば合格(あるいは、ここまでが限界)」というゴールを共有できます。これにより、無駄な要望に振り回されることを防ぎ、限られた予算と人員の中で、いかに効率的かつ継続的に高品質なサービスを提供するかという議論ができるようになるのです。

実務においては、単に合意して終わりではなく、毎月「目標に対してどうだったか」を振り返る定例会議などを通じて、サービスレベルを少しずつ向上させていく「PDCAサイクル」を回すことが非常に重要です。この考え方はITパスポートのみならず、実社会のどのような業務プロジェクト管理にも応用できる汎用性の高い知識です。

参考リンク

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