平成27年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問89 解説 アローダイアグラム
図1に示すソフトウェアの開発は,遅延が発生しないと仮定すると最短何日で完了するか。
- ア 35
- イ 40
- ウ 45 ✓ 正答
- エ 65
解説
アローダイアグラムにおける最短完了日は、開始から終了まで至るすべての経路のうち、作業日数の合計が最も大きくなる「クリティカルパス」の長さで決まります。
今回の図には、開始ノード1から終了ノード5に至る経路が2つあります。それぞれの経路の合計日数を計算します。
経路1:ノード1 → ノード2 → ノード4 → ノード5 (準備作業5日 + 作業1・20日 + 作業4・10日)= 35日
経路2:ノード1 → ノード2 → ノード3 → ノード4 → ノード5 (準備作業5日 + 作業2・15日 + 作業3・15日 + 作業4・10日)= 45日
比較すると経路2の45日が最長であり、これが全体の最短完了日となります。
アローダイアグラムとクリティカルパス
アローダイアグラムは、プロジェクトの各作業の前後関係と所要日数を図式化したものです。複数の作業が並行して進む場合、すべての作業が終わらないと次の工程に進めない場所(合流点)が存在します。そのため、全体の完了時期は「一番時間がかかるルート」に支配されることになります。この、プロジェクト全体の日数を決定づける最長の経路を「クリティカルパス」と呼びます。
実務での活用シーン
ITプロジェクトの現場では、スケジュール管理のために必須の知識です。例えば、大規模なシステム開発では、並行して進む作業が数十個あることも珍しくありません。マネージャーはクリティカルパス上の作業を常に注視します。なぜなら、クリティカルパス上の作業が1日でも遅れると、即座にプロジェクト全体の納期が1日遅れてしまうからです。逆に、クリティカルパス以外の作業であれば、多少の遅れなら予備期間(余裕期間)の範囲内で吸収できる可能性があると判断できます。
教育的意図
この問題を解く目的は、単純な計算スキルの習得だけではありません。プロジェクト管理において「どこがボトルネックになり得るのか」を俯瞰する視点を養うことにあります。限られたリソースの中で、どの工程を優先的に管理すべきかを見極める力は、ITパスポートが対象とするITエンジニアやビジネスパーソンにとって、プロジェクトを成功に導くための基本素養となります。