平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問14 解説 RFIの目的
ある業務システムの新規開発を計画している企業が,SI ベンダに出す RFI の目的として,適切なものはどれか。
- ア 業務システムの開発のための契約を結ぶのに先立って,ベンダの開発計画とその体制が知りたい。
- イ 業務システムの開発を依頼してよいベンダか否かを判断するための必要な情報を得たい。 ✓ 正答
- ウ 業務システムの開発を依頼するに当たって,ベンダの正式な見積り金額を知りたい。
- エ 業務システムの開発をベンダに依頼するに当たって,ベンダとの間に機密保持契約を結びたい。
解説
RFIとRFPを見分けるポイント
この問題は、システム調達プロセスにおける書類の役割を理解しているかを問うものです。RFI(情報提供依頼書)は「情報収集」のための書類であり、ベンダに「開発してほしい」と具体的に頼む段階ではなく、「どんな技術を持っているか」「どんな実績があるか」という情報を聞き出し、候補となるベンダを絞り込むために使います。見積もりの依頼や具体的な提案を求める段階は、次のステップであるRFP(提案依頼書)の役割です。
RFI(情報提供依頼書)とは何か
RFIは、英語のRequest for Informationの略です。企業がシステム開発を計画する際、最初に行うアクションの一つです。
システム開発を依頼しようとしても、どこのベンダが適しているのか、そもそも自社のやりたいことが実現可能なのかといった情報が不足している場合があります。そこで、あらかじめ複数のベンダに対して「このようなシステムを検討しているが、貴社の技術力や類似の開発実績、解決策の引き出しを教えてほしい」と問い合わせます。
これにより、ベンダから返ってきた情報を比較し、自社の要件に合うパートナーとなり得る企業を効率的にリストアップすることができます。
システム調達プロセスの流れ
ITパスポート試験では、RFIとRFP、そしてその後の契約の流れがよく問われます。整理すると以下のようになります。
- RFI(情報提供依頼書):開発の初期段階。情報収集が目的。ベンダ選定の判断材料にする。
- RFP(提案依頼書):具体的な開発の要件を伝え、ベンダから具体的な提案と「見積もり」を出してもらう段階。
- 契約:選定されたベンダと内容を詰め、契約を結ぶ。
今回の問題の選択肢である「正式な見積もりを知りたい(ウ)」はRFPの役割ですし、「契約を結ぶための開発計画を知りたい(ア)」もRFPの段階で行われる内容です。RFIはもっと手前の「相手をフィルタリングする」ための調査段階であると区別して覚えておきましょう。
なぜこの知識が重要なのか
実際のビジネス現場では、システム開発のコストは非常に高額になることが多いため、発注側は「どのベンダに任せるか」を慎重に決める必要があります。
最初から一社に絞って見積もりを依頼してしまうと、適正な価格かどうかの判断が難しくなりますし、もっと良い提案を持っているベンダを見逃すかもしれません。RFIという客観的なプロセスを踏むことで、公平な競争を促し、プロジェクト成功のリスクを減らすことができます。これは単なる試験勉強ではなく、システム発注のガバナンス(統制)を守るための実務的な教養といえます。