ITパスポート試験 / 平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 / 問20
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平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問20 解説 ポジショニング分析

設問図

問20 A社は競合する他社とのポジショニングの分析を行った。3社の中でA社が最高の 評価を得るには, A社のブランドの評価項目は, 最低何ポイントが必要か。 なお, 各評価項目の最低値は1ポイント, 最高値は10ポイントとし, それぞれの評 価項目の重み付けをした合計値で各社の評価を行うものとする。 注記 網掛けの部分は, 表示していない。

  1. 6
  2. 7
  3. 8 ✓ 正答
  4. 9

解説

この問題は、複数の評価項目とそれぞれの「重み」を用いて、競合他社と比較しながら自社の評価を数値的に導き出す能力を問うものです。A社が最高の評価を得るために、未知の評価項目に最低何ポイント必要かという問いに対し、まずは各社の評価合計値を正確に計算し、条件に合う数値を導き出すことから始めます。

簡潔な解き方

まず、各社の評価合計値は「(各評価項目の点数)×(その評価項目の重み)」をすべて足し合わせることで算出します。

  1. B社の評価合計値(9×1)+(7×4)+(10×3)+(6×2)=9+28+30+12=79(9 \times 1) + (7 \times 4) + (10 \times 3) + (6 \times 2) = 9 + 28 + 30 + 12 = 79
  2. C社の評価合計値(6×1)+(9×4)+(7×3)+(10×2)=6+36+21+20=83(6 \times 1) + (9 \times 4) + (7 \times 3) + (10 \times 2) = 6 + 36 + 21 + 20 = 83
  3. A社の評価合計値:A社のブランド評価を xx ポイントとすると、 (10×1)+(10×4)+(6×3)+(x×2)=10+40+18+2x=68+2x(10 \times 1) + (10 \times 4) + (6 \times 3) + (x \times 2) = 10 + 40 + 18 + 2x = 68 + 2x

A社が最高評価を得るには、A社の合計値がB社とC社の合計値のどちらよりも高くなる必要があります。 68+2x>7968 + 2x > 79 かつ 68+2x>8368 + 2x > 83 この両方を満たすには、68+2x>8368 + 2x > 83 が条件となります。 この不等式を解くと、 2x>83682x > 83 - 68 2x>152x > 15 x>7.5x > 7.5

評価項目のポイントは最低1、最高10の整数値であるため、xx は7.5より大きい最小の整数である必要があります。したがって、A社のブランド評価は最低 88 ポイント必要です。

重み付け評価とポジショニング分析

この問題で用いられている計算方法は「重み付け評価」や「加重平均」と呼ばれるもので、複数の評価項目がある際に、それぞれの項目の重要度(重み)を考慮して総合的な評価を算出する手法です。例えば、価格が最も重要であれば重みを大きく、営業力はそこまで重要でなければ重みを小さく設定することで、より実態に即した評価が可能になります。

今回の問題は、A社が競合する他社との「ポジショニングの分析」を行ったという状況設定です。ポジショニング分析とは、自社製品やサービスの市場における位置付けを、競合他社と比較して明確にするための分析手法です。どの項目で優位に立ち、どの項目を強化すべきか、また、競合との差別化ポイントは何かなどを洗い出す目的で行われます。

ビジネスでの活用場面と教育的意図

このような重み付け評価やポジショニング分析は、ITパスポート試験で問われる「ストラテジ系」の知識として、ビジネスの現場で幅広く活用されます。

1. 経営戦略の策定

企業が新たな製品やサービスを開発する際、市場調査の結果や顧客のニーズを基に、どの機能を重視すべきか、価格設定はどうするか、といった意思決定に重み付け評価が用いられます。競合の製品と比較しながら、自社がどのポジションを狙うべきか(例: 高品質・高価格帯か、低価格・大衆向けかなど)を決定する上で、本問のような分析は不可欠です。

2. ベンダー選定・プロジェクト評価

システム開発やITサービスの導入において、複数のベンダーから提案があった場合、単に価格だけで選ぶのではなく、技術力、サポート体制、実績、セキュリティ対策など、複数の評価項目に重みをつけて最適なベンダーを選定する際に役立ちます。プロジェクトの進捗評価や成果物の品質評価にも応用できます。

3. 人事評価・目標管理

従業員の能力評価や目標達成度を測る際にも、複数の評価項目(例: 業務成果、協調性、主体性、スキルアップ)に重みをつけ、総合的な評価を行うことで、より公平で納得感のある評価に繋げることができます。

ITパスポート試験において、このような計算問題が出題される背景には、IT技術者として、単に技術的な知識だけでなく、ビジネスの様々な状況においてデータに基づいた合理的な意思決定を行うための「論理的思考力」や「問題解決能力」が求められているという教育的意図があります。与えられた情報から必要な数値を抽出し、正確に計算して結論を導き出す能力は、ITに限らずあらゆるビジネスシーンで重要です。

参考リンク

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