平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問41 解説 要員数の推移計算
三つのサブシステム A, B, C のテスト期間と要員数が次のとおりであるとき, テスト期間中に要員数の合計が最大となる月の要員は何名か。
- ア
- イ
- ウ ✓ 正答
- エ
解説
この問題は、複数のサブシステムのテストが並行して進む状況で、各月に必要な要員数の合計がどのように推移するかを把握し、最も要員が多く必要となる月を特定するものです。
まず、各月のテスト期間中に稼働しているサブシステムと、それらが常時必要とする要員数を洗い出します。そして、それぞれの月の要員数を合計していき、その中で最も合計要員数が多い月を見つけ出しましょう。
各月の要員数の計算
与えられた情報をもとに、4月から8月までの各月の要員数を計算します。
- サブシステムA: 4月〜6月の期間、常時1名
- サブシステムB: 5月〜7月の期間、常時2名
- サブシステムC: 7月〜8月の期間、常時3名
この情報を踏まえて、月ごとの要員数を合計します。
- 4月: サブシステムAのみが稼働。
- サブシステムA: 1名
- 合計: 名
- 5月: サブシステムAとBが稼働。
- サブシステムA: 1名
- サブシステムB: 2名
- 合計: 名
- 6月: サブシステムAとBが稼働。
- サブシステムA: 1名
- サブシステムB: 2名
- 合計: 名
- 7月: サブシステムBとCが稼働。
- サブシステムB: 2名
- サブシステムC: 3名
- 合計: 名
- 8月: サブシステムCのみが稼働。
- サブシステムC: 3名
- 合計: 名
これらの月の要員数を比較すると、
- 4月: 1名
- 5月: 3名
- 6月: 3名
- 7月: 5名
- 8月: 3名
となり、要員数の合計が最大となる月は7月で、その時の要員数は5名です。
プロジェクトのリソース管理における要員計画
この問題は、ITパスポート試験の「プロジェクトマネジメント」分野で問われる「リソース管理」の基礎的な考え方を扱っています。リソースとは、プロジェクトを進める上で必要となる資源全般を指し、人的資源(要員)、設備、資材、資金、時間などが含まれます。特に人的資源はITプロジェクトの成否を左右する重要な要素の一つです。
複数のタスクやサブプロジェクトが並行して進む際、どの時期にどのくらいの要員が必要になるかを事前に正確に把握することは、プロジェクトを円滑に進める上で不可欠です。本問のように、複数の作業が重なることで特定の月に要員需要が集中する現象を「リソースの偏り」や「リソースのピーク」と呼びます。
なぜITパスポートでこの知識が問われるのか
ITパスポート試験でこのような問題が出題されるのは、ITの専門家として働く上で、プロジェクトのリソース(特に人)をいかに効率的かつ適切に配分・管理するかが、プロジェクトの成功に直結するためです。
本問で示すような要員数の計算を通じて、
- 要員需要の予測: プロジェクトの各フェーズで必要な要員数を事前に予測し、計画する能力。
- リソースの偏りの発見: 複数の作業が重なることによって発生する要員負荷のピークを特定する能力。
- 問題への対処: ピークが発生した場合に、要員の追加、作業スケジュールの調整(リソース平準化)、タスクの優先順位付けといった対策を検討する基礎的な思考力。
これらの能力は、ITプロジェクトにおけるシステム開発や運用、保守など、あらゆる場面で求められます。限られたリソースを最大限に活用し、プロジェクトを滞りなく進めるための基本的な考え方を身につけておくことが、IT人材として重要であるという教育的な意図が込められています。