ITパスポート試験 / 平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 / 問47
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平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問47 解説 稼働率の向上

サービス提供者が行う活動のうち,稼働率の向上に有効なものはどれか。

  1. ア 応答時間の計測
  2. イ 障害発生の監視 ✓ 正答
  3. ウ 組織で使用しているサーバ構成の管理
  4. エ プログラムの修正履歴の記録

解説

システムが安定して稼働し続ける能力を示す「稼働率」を向上させるためには、システムが停止している時間をいかに短くするかが重要です。正解の「イ 障害発生の監視」は、システムに異常があった場合にそれをいち早く検知し、迅速な復旧へと繋げる活動であるため、システム停止時間を短縮し、結果として稼働率の向上に最も有効です。

稼働率向上のカギは「システム停止時間の短縮」

稼働率とは、システムが設計された通りに正常に動作している時間の割合を示します。例えば、1日のうち23時間正常に稼働し、1時間停止していた場合、稼働率は23時間 / 24時間 ≒ 95.8%となります。この稼働率を向上させるには、システムの正常稼働時間を最大化し、停止時間を最小化する必要があります。

「イ 障害発生の監視」は、システムのCPU使用率、メモリ使用量、ディスク容量、ネットワークトラフィック、ログファイルなどを常にチェックし、異常が発生していないかを監視する活動です。これにより、障害の発生を早期に検知し、場合によっては障害が発生する前の予兆段階で異常を察知することも可能です。早期発見は、早期の復旧作業開始に直結し、システムの停止時間を大幅に短縮できます。システム停止時間が短くなればなるほど、稼働率は向上します。

稼働率とは?その考え方を深掘り

稼働率は、ITサービスマネジメントにおいてシステムの信頼性を示す重要な指標の一つです。システムやサービスの提供側にとって、稼働率の高さは顧客への信頼に直結し、ビジネス継続性にも大きく影響します。

稼働率を考える上で、以下の二つの指標がよく用いられます。

  • MTBF (Mean Time Between Failures): 平均故障間隔
    • システムが一度故障してから、次に故障するまでの平均時間。この値が大きいほど、システムは故障しにくい(信頼性が高い)と言えます。
  • MTTR (Mean Time To Repair): 平均復旧時間
    • システムが故障してから、復旧するまでの平均時間。この値が小さいほど、システムは速やかに復旧できる(保守性が高い)と言えます。

稼働率 (A) は、一般的に以下の式で表されます。 A=MTBF/(MTBF+MTTR)A = MTBF / (MTBF + MTTR)

この式からわかるように、稼働率を向上させるためには、MTBFを長くする(故障しにくくする)か、MTTRを短くする(復旧を早くする)かのどちらか、あるいは両方が必要です。 「イ 障害発生の監視」は、障害の早期発見によってMTTRを短縮することに直接的に貢献します。

各選択肢が持つ意味と稼働率への影響

他の選択肢は、それぞれ別の重要なIT管理活動ですが、稼働率の向上に直接結びつく活動ではありません。

  • ア 応答時間の計測:
    • ユーザーからのリクエストに対して、システムが応答を返すまでの時間を計測する活動です。これは主にシステム性能の評価やユーザー体験の改善に役立ちます。応答時間が遅いことはユーザーにとって不便ですが、システムが停止しているわけではないため、直接的に稼働率を下げる要因ではありません。もちろん、性能劣化が進行して最終的にシステム停止に至る可能性はありますが、計測自体が稼働率を上げる直接的な活動とは言えません。
  • ウ 組織で使用しているサーバ構成の管理:
    • どのサーバにどのようなソフトウェアがインストールされ、どのような設定になっているかといった情報を管理する活動です。これは構成管理と呼ばれ、システムの安定稼働や変更管理、障害発生時の原因究明には非常に重要です。しかし、構成を管理すること自体が稼働率を直接向上させるわけではありません。
  • エ プログラムの修正履歴の記録:
    • プログラムに変更を加えた際に、いつ、誰が、なぜ、どのように変更したかを記録する活動です。これは変更管理や品質管理の重要な要素であり、不具合発生時の原因特定やバージョン管理に役立ちます。しかし、稼働率を直接向上させるための活動ではありません。

なぜ稼働率向上が重要なのか

ITパスポート試験でこの問題が出題されるのは、ITシステムを運用する上で、稼働率がビジネスに与える影響と、それを維持・向上させるための基本的な運用管理の知識を理解しているかを確認するためです。

現代のビジネスにおいて、ITシステムは基幹業務の多くを支えています。システムが停止するということは、業務が停止し、顧客サービスが停止し、結果として収益機会の損失や企業イメージの低下に直結します。そのため、ITサービスの提供者は、高い稼働率を維持するための運用体制を構築し、障害発生を未然に防ぎ、万一発生した際には迅速に復旧させる能力が求められます。監視活動はその中核をなすものであり、ITシステム運用に携わる者にとって不可欠な知識と言えるでしょう。

参考リンク

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