ITパスポート試験 / 平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 / 問50
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平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問50 解説 品質管理の図法

設問図

品質の目標に対し,不良が多く発生しているシステム開発プロジェクトがある。 重点的に解消すべき課題を明らかにするために,原因別に不良の発生件数を調べ, 図で表すことにした。このときに用いるのが適切な図はどれか。

選択肢図
  1. ア.
  2. イ. ✓ 正答
  3. ウ.
  4. エ.

解説

システム開発プロジェクトにおいて、不良が多く発生している状況で「重点的に解消すべき課題」を明らかにするためには、各原因がどの程度の発生件数に寄与しているかを定量的に把握し、影響の大きい順に優先度をつけることが重要です。この目的に最も適した図が、選択肢イのパレート図です。

パレート図は、不良の発生件数(または損失額など)を原因別に集計し、件数の多い順に並べた棒グラフと、それらの累積比率を示す折れ線グラフを組み合わせたものです。これにより、「少数(の原因)が多数(の結果)を占める」というパレートの法則を視覚的に捉え、どこに改善のリソースを集中すべきかを明確にできます。


問題解決に役立つ品質管理の図

ITパスポート試験では、プロジェクト管理や品質管理の分野で用いられるさまざまな図表の知識が問われます。それぞれの図表がどのような目的で使われ、どのような情報を提供するのかを理解しておくことが大切です。

パレート図(選択肢イ)

パレート図は、品質管理の「QC七つ道具」の一つであり、問題の原因を「影響度(件数、金額など)」の大きさによって分類し、優先順位を決定する際に非常に有効です。

  • 構成要素:
    • 棒グラフ: 横軸に不良の原因項目を、縦軸に不良の発生件数や損失額などの数量をとり、数量の多い順に並べて表示します。
    • 折れ線グラフ: 各原因項目の累積比率(全体の何パーセントを占めるか)を示します。通常、右側の縦軸に0%から100%までの累積比率をとります。
  • 活用場面:
    • 今回の問題のように、不良品の原因の中から特に影響の大きいものを特定し、改善策の優先順位を決める場合。
    • 顧客からのクレーム内容を分析し、最も多いクレーム項目を特定する場合。
    • コストの内訳を分析し、どの項目が費用全体の大部分を占めているかを把握する場合。

プロジェクトを成功させるためには、限られたリソース(時間、人員、予算など)を最も効果的な課題解決に投入する必要があります。パレート図は、まさにその「効果的な課題解決」を支援する強力なツールと言えるでしょう。

その他の選択肢の図

それぞれの図にも、異なる目的と活用場面があります。

特性要因図(フィッシュボーン図)(選択肢ア)
  • 目的: ある問題や結果(特性)に対して、どのような原因(要因)が影響しているかを体系的に洗い出し、整理するために用いられます。
  • 構成: 魚の骨のような形をしていることから「フィッシュボーン図」とも呼ばれます。問題となる結果を魚の頭に見立て、そこから「大骨(主要な原因カテゴリー)」、「中骨(詳細な原因)」、「小骨(さらに具体的な原因)」と枝分かれさせていきます。一般的に、人、設備、材料、方法、測定、環境などのM(Man, Machine, Material, Method, Measurement, Milieu)を大骨とすることが多いです。
  • 活用場面: 問題の根本原因を探るブレーンストーミングやディスカッションの際に、網羅的に原因を洗い出すために使われます。パレート図で「重点的に取り組むべき原因」が特定された後、その原因についてさらに深掘りして具体的な対策を検討する際に組み合わせて使うこともあります。
散布図(選択肢ウ)
  • 目的: 2つの異なるデータの間に相関関係(関連性)があるかどうかを調べるために用いられます。
  • 構成: 横軸と縦軸にそれぞれ異なるデータをとり、対応する値を点でプロットします。点の分布のパターンから、正の相関、負の相関、無相関などを視覚的に把握できます。
  • 活用場面: 例えば、開発期間とバグの発生件数、製品の価格と販売数、従業員の残業時間と生産性など、2つの要素が互いにどのように影響し合っているかを分析したい場合に使われます。
フローチャート(選択肢エ)
  • 目的: 業務の手順、プログラムの処理の流れ、アルゴリズムなどを図記号と矢印を用いて視覚的に表現するために用いられます。
  • 構成: 開始/終了、処理、判断、入出力などの特定の意味を持つ記号と、それらを結ぶ矢印で構成されます。
  • 活用場面: システム設計においてプログラムのロジックを設計・共有する場合や、業務プロセスの現状を分析して改善点を見つける場合、新しい業務手順を説明する場合などに利用されます。

品質管理における図表の重要性

ITパスポート試験でこれらの図表の知識が問われるのは、ITプロジェクトにおいても品質管理や問題解決能力が非常に重要だからです。単にプログラムが書けるだけでなく、問題が発生した際に、その原因を適切に分析し、効率的・効果的に解決策を導き出すスキルが求められます。

特にパレート図は、限られたリソースの中で「何を優先して改善すべきか」という意思決定を強力にサポートするため、プロジェクトマネージャーや品質管理者にとって必須のツールと言えます。問題文で示された「重点的に解消すべき課題を明らかにする」という目的に対して、不良の発生件数という定量データに基づいて優先順位をつけられるパレート図が最も適切な選択肢となるわけです。

参考リンク

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