ITパスポート試験 / 平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 / 問49
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平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問49 解説 ITサービス資産管理

ITサービスマネジメントのプロセスにおいて,資産管理が適切に実行されているかどうかの判断に有効な計測項目はどれか。

  1. ア 解決された問題の件数
  2. イ 緊急リリースの件数
  3. ウ 仕様変更の実装が失敗した件数
  4. エ 未使用のソフトウェアライセンス数 ✓ 正答

解説

ITサービスマネジメントにおける資産管理が適切に行われているかを判断するには、IT資産の保有状況や利用状況が最適化されているかを確認できる計測項目が有効です。正解の「エ 未使用のソフトウェアライセンス数」は、企業が所有しているにもかかわらず使われていないソフトウェアライセンスの数を指します。この数を把握することは、ライセンスの過剰保有による無駄なコストが発生していないか、あるいはライセンスが効率的に利用されているかを直接的に示す指標となるため、資産管理の適切性を判断する上で非常に有効です。

ITサービスマネジメントにおける資産管理の目的

ITサービスマネジメントとは、ITサービスを計画、設計、導入、運用、改善するための一連の活動を体系的に管理することです。この中には様々なプロセスが含まれ、資産管理(IT Asset Management: ITAM)もその重要な一つです。

IT資産管理(ITAM)とは?

ITAMは、企業が保有するすべてのIT資産(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク機器、ドキュメントなど)のライフサイクル全体(調達、導入、利用、保守、廃棄)を管理するプロセスです。その目的は多岐にわたりますが、主に以下の点が挙げられます。

  • コストの最適化: 不要なIT資産の購入を避けたり、利用していない資産を再活用したりすることで、IT関連コストを削減します。
  • コンプライアンスの確保: 特にソフトウェアライセンスにおいては、過剰購入だけでなく、ライセンス契約違反(ライセンス不足)のリスクを管理し、法的な問題や罰金を回避します。
  • セキュリティの強化: どのIT資産がどこにあるかを正確に把握することで、脆弱性のある資産を特定し、セキュリティ対策を講じやすくします。
  • 効率的な運用: IT資産の情報を一元管理することで、トラブルシューティングや変更管理などのプロセスを効率的にサポートします。

「未使用のソフトウェアライセンス数」が示すもの

「未使用のソフトウェアライセンス数」という計測項目は、上記の資産管理の目的、特にコスト最適化とコンプライアンスの確保に直結する非常に有効な指標です。

なぜこの指標が有効なのか

企業が多くのソフトウェアライセンスを所有しているにもかかわらず、その一部が全く使用されていない場合、それは無駄なコストが発生していることを意味します。ソフトウェアライセンスは通常、年間契約や利用人数に応じた費用が発生するため、未使用のライセンスは企業にとって純粋な支出となります。

この指標を定期的に計測し管理することで、企業は以下のような具体的なメリットを得られます。

  • ライセンスコストの削減: 不要なライセンスの更新を停止したり、部署間で再割り当てしたりすることで、ライセンス費用を大幅に削減できます。
  • 資源の最適化: ソフトウェアの利用状況を把握することで、将来のソフトウェア調達計画をより適切に立案できるようになり、IT投資の最適化につながります。
  • コンプライアンスの向上: 未使用ライセンスの把握は、過剰保有の確認だけでなく、全体的な利用状況を把握することで、ライセンス契約違反のリスクを軽減する上でも役立ちます。

他の選択肢との関連性

他の選択肢は、ITサービスマネジメントの異なるプロセスに関連する計測項目であり、資産管理の適切性を示す直接的な指標としては不適切です。

  • ア 解決された問題の件数: これは「問題管理」プロセスに関連する指標です。問題管理は、ITサービスに繰り返し発生するインシデント(障害)の原因を特定し、恒久的な解決策を講じることを目的とします。
  • イ 緊急リリースの件数: これは「リリース管理」や「変更管理」プロセスに関連する指標です。リリース管理は、ITサービスの変更を本番環境に安全に導入するプロセスであり、緊急リリースが多いことは計画性の不足やリスク管理の甘さを示す可能性があります。
  • ウ 仕様変更の実装が失敗した件数: これは「変更管理」プロセスに関連する指標です。変更管理は、ITサービスに対するあらゆる変更を計画的に実施し、リスクを管理することを目的とします。実装の失敗は、変更プロセスの不備やテスト不足を示唆します。

これらの項目もITサービスマネジメントにおいて重要な指標ですが、IT資産の保有・利用状況の最適化を測る「資産管理」の指標としては適切ではありません。

参考リンク

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