ITパスポート試験 / 平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 / 問53
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平成28年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問53 解説 システム方式設計

新システム導入に際して,ハードウェア,ソフトウェアで実現する範囲と手作業 で実施する範囲を明確にする必要がある。これらの範囲を明確にする工程はどれか。

  1. ア 運用テスト
  2. イ システム方式設計 ✓ 正答
  3. ウ ソフトウェア導入
  4. エ ソフトウェア要件定義

解説

新システム導入において、ハードウェア、ソフトウェア、そして手作業で実現する範囲を明確にすることは、システム全体の骨格を決定する重要な工程です。この「どこまでをシステム化し、どこからを手作業として残すか」といった、システム化の具体的な実現方法を検討し、大まかな設計を行う工程は「システム方式設計」と呼ばれます。

システム方式設計とは?システムの全体像を描く工程

システム方式設計とは、システム開発工程において、ユーザーの要求をまとめた「要件定義」の次に行われる段階です。要件定義で「何をしたいか」が明確になった後、それを「どのように実現するか」を具体的に検討し、システム全体の構成や機能を設計します。

この工程の主な目的は以下の通りです。

  1. システム化対象範囲の明確化: 新システムでどこまでの業務を自動化し、どこからを人の手による作業(手作業)として残すのかを決定します。これは問題文で問われている内容そのものです。
  2. システム全体の構成設計: システムを構成する主要な要素(サブシステムやモジュールなど)を定義し、それらの連携方法やデータの流れを設計します。
  3. 技術要素の選定: どのようなハードウェア、オペレーティングシステム、データベース、プログラミング言語などを使用するか、大まかな方針を決定します。
  4. 非機能要件の検討: 性能、信頼性、セキュリティ、拡張性といった、システムの品質に関わる要件(非機能要件)を具体的に検討し、設計に落とし込みます。

システム方式設計は、後の詳細設計やプログラミング作業の基盤となるため、この段階でしっかりと検討を行い、関係者間で合意形成を図ることがプロジェクト成功の鍵となります。ITパスポート試験では、システム開発の流れと各工程の目的を理解しているかが問われることが多く、この知識は非常に重要です。

要件定義との違い

選択肢に「ソフトウェア要件定義」がありますが、これはシステム方式設計とは異なる工程です。

  • ソフトウェア要件定義:ユーザーの「何をしたいか」という要求を明確にし、文書化する工程です。システムの機能や性能、操作性など、ユーザーがシステムに求めるものを定義します。
  • システム方式設計:要件定義で決まった「何をしたいか」を、実際に「どのようにして実現するか」を技術的な視点から具体化し、システム全体の設計を行う工程です。

つまり、要件定義が「顧客の望みを整理する」段階であるのに対し、システム方式設計は「その望みをどのような形で実現するか、システムの骨格を組み立てる」段階と言えます。

その他の選択肢について

  • ア 運用テスト: システムが本番環境で問題なく動作するか、運用体制に合わせた検証を行うテスト工程です。システム開発の最終段階に近く、範囲決定とは全く異なる役割を持ちます。
  • ウ ソフトウェア導入: 開発されたソフトウェアを、実際の利用環境(ユーザーのPCやサーバーなど)にインストールし、利用可能な状態にする工程です。これもシステム開発の最終段階に位置し、範囲決定の後に行われます。

なぜこの知識が重要なのか?

ITパスポート試験でシステム方式設計のような概念が問われるのは、ITを活用するビジネスパーソンが、システム開発プロジェクトの全体像を理解し、各工程の目的や役割を把握していることが重要だからです。

プロジェクトにおいては、漠然とした要求を具体的なシステムに落とし込む過程で多くの決定がなされます。システム方式設計の段階でハードウェア、ソフトウェア、手作業の分担を明確にすることは、後の工程での手戻りを防ぎ、プロジェクト全体のコストやスケジュール、品質に大きな影響を与えます。

例えば、あなたが企業のIT担当者として、ベンダーと新しいシステム開発を進める際、どの工程でどのような決定がなされるかを理解していれば、適切なタイミングで意見を述べたり、進捗を確認したりすることができます。また、自分の担当業務がシステム開発全体のどの部分に位置するのかを理解することで、より効率的に、かつ目的意識を持って業務に取り組めるようになるでしょう。この知識は、ITプロジェクトにおけるコミュニケーションを円滑にし、より良いシステムを構築するために不可欠な基礎知識と言えます。

参考リンク

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