ITパスポート試験 / 平成28年度 春期 ITパスポート試験 / 問21
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平成28年度 春期 ITパスポート試験 問21 解説 取締役のコンプライアンス

一定の条件に該当する会社に対して,取締役の職務に関するコンプライアンスを確保するための体制整備を義務付けている法令はどれか。

  1. ア 会社法 ✓ 正答
  2. イ 金融商品取引法
  3. ウ 公益通報者保護法
  4. エ 民法

解説

正解への道筋

設問にある「取締役の職務に関するコンプライアンス(法令遵守)体制」というキーワードを見たら、「会社法における内部統制システム」を直結させて選ぶのが正解への最短ルートです。この問題は、企業経営において取締役が負うべき「善管注意義務」や「忠実義務」といった法的な仕組みが、どの法律に定められているかを問うています。

内部統制システムとは何か

会社法では、取締役が勝手な経営を行わないよう、また違法な行為を防ぐために、会社内部にチェック機能を設けることを求めています。これを「内部統制システム」といいます。

具体的には、大会社(資本金が5億円以上または負債総額が200億円以上の株式会社など)に対して、取締役の職務の執行が法令や定款に適合することを確保するための体制を構築し、その内容を決定することを義務付けています。

このシステムには、主に以下の要素が含まれます。 ・取締役や使用人の職務執行が法律や定款に適合するための体制 ・職務の執行に関する情報の保存管理体制 ・損失の危険の管理に関する規程や体制 ・取締役が効率的に職務を行うための体制

なぜこの知識が重要なのか

ITパスポート試験においてこの問題が出題される背景には、ITガバナンスへの意識向上があります。現代の企業において、システムは経営の中枢です。もし取締役がコンプライアンスを軽視すれば、個人情報の流出や不正アクセスへの不作為といったITリスクが顕在化し、企業存続に関わる重大な事態を招きます。

システム開発の現場やIT管理の仕事に就く際も、「このシステムは法令に適合しているか」「情報管理のルールは取締役レベルの管理体制と整合しているか」という視点が不可欠です。内部統制という概念は、経営層だけでなく、IT部門の責任者にとっても、どのようなルールに基づいてプロジェクトを管理すべきかという判断基準になるため、非常に実践的な知識といえます。

他の選択肢について整理しておくと、金融商品取引法は主に「投資家保護と市場の透明性」を目的としており、会社法とは目的のベクトルが異なります。公益通報者保護法は「通報者の保護」に特化した法律であり、民法は「私人と私人の間の公平なルール」を定めた一般法であるため、取締役の組織的体制義務を定めた法律としては不適切です。

参考リンク

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