平成28年度 春期 ITパスポート試験 問32 解説 品質管理の図法
品質管理において,測定値の存在する範囲を幾つかの区間に分け,各区間に入る データの度数を棒グラフで表したものはどれか。
- ア 管理図
- イ 特性要因図
- ウ パレート図
- エ ヒストグラム ✓ 正答
解説
この問題は、品質管理の代表的な手法である「品質管理の七つ道具」のそれぞれの特徴を暗記しているかで正誤が決まります。「測定値の範囲を区間に分けて、度数を棒グラフにする」という説明に対応するのはヒストグラムです。
ヒストグラムとは何か
ヒストグラムは、集めたデータをいくつかの区間(階級)に分け、それぞれの区間にいくつのデータが含まれているかを度数として数え、それを棒グラフの形で表したものです。
グラフを見たときに、棒の高さがどのように並んでいるかを確認することで、データの中心値がどこにあるか、データのばらつきはどの程度か、あるいはデータが正規分布に従っているかといった、データの傾向を一目で把握するために使われます。
品質管理の七つ道具の使い分け
試験対策として、選択肢にある他の手法との違いを整理しておくことが重要です。これらは目的によって使い分けます。
・管理図 データの時系列変化をグラフ化したものです。一定の管理限界線を引いておくことで、工程が安定して運用されているか、異常が発生していないかを判断するために使います。
・特性要因図 結果(特性)と、それに影響を与える原因(要因)の関係を魚の骨のような図に整理するものです。問題が発生した際に、その原因を体系的に洗い出し、深掘りするために使います。
・パレート図 項目別にデータを分類し、出現件数や金額の多い順に並べた棒グラフと、その累積比率を表す折れ線グラフを組み合わせたものです。全体の中での優先順位を明確にし、どれを優先的に改善すべきかを判断するのに役立ちます。
なぜこの知識が重要なのか
ITパスポート試験においてこれらの手法が問われるのは、単なる知識の暗記を求めているからではありません。開発プロジェクトやサービス運用において、「データに基づいて客観的に判断し、継続的に改善を行う(PDCAサイクルを回す)」というプロセスを理解しているかどうかが問われているからです。
例えば、システムのレスポンス時間を測定した場合、平均値だけを見ていると「遅いデータ」の存在が見落とされてしまうことがあります。ヒストグラムを作成すれば、全体のうちどれくらいの割合で遅延が発生しているのか、分布の形はどうなっているのかが視覚的にわかり、具体的な改善のヒントを得ることができます。