ITパスポート試験 / 平成28年度 春期 ITパスポート試験 / 問53
certification-simodake-work

平成28年度 春期 ITパスポート試験 問53 解説 要員計画と生産性

システム開発作業を実施するに当たり,生産性が同じメンバ6名で20日間掛けて完了する計画を立てた。しかし,15日間で作業が終わるように計画を変更することになり,新たなメンバを増員することとした。新メンバの生産性は当初予定していたメンバの半分であるとき,15日間で作業を終わらせるために必要な新メンバは最低何人か。

  1. ア 1
  2. イ 2
  3. ウ 4 ✓ 正答
  4. エ 6

解説

総作業量から考える計算手順

この問題は、プロジェクト全体の仕事量(総作業量)を固定して考えるのがポイントです。手順は以下の通りです。

  1. 全体の作業量を求める:6×20=1206名 \times 20日 = 120人日
  2. 15日間で終えるために必要な戦力を求める:120÷15=8120 \div 15 = 8人分
  3. 不足分を補う:当初の6名に加え、不足する2人分の戦力を、生産性が半分のメンバーでどう埋めるかを計算する。新メンバー1人の戦力は0.5人分なので、2÷0.5=42 \div 0.5 = 4

答えは4名となります。

人日(にんぴつ)という単位の考え方

この問題で使った「人日」とは、1人が1日かけて行う作業量を1単位とする考え方です。「作業量 = 人数 × 日数」という式が成り立ちます。

ITプロジェクトでは、スケジュール(納期)が短縮された場合に、どれだけの人員を追加投入すべきかを判断する必要があります。このとき、単に「あと何人必要か」だけでなく、「追加するメンバーのスキル(生産性)は既存メンバーとどう違うのか」を考慮しなければなりません。今回のケースでは、新メンバーの能力が半分であるため、単純に人数を増やすだけでなく、能力差を補正した計算を行う必要があります。

実務におけるプロジェクト管理の重要性

この問題は、ITプロジェクトマネジメントにおける「ブルックスの法則」を学ぶための基礎となります。ブルックスの法則とは、IBMのシステム開発者フレデリック・ブルックスが提唱した「遅れているソフトウェアプロジェクトに人員を追加投入すると、かえってさらに遅れる」という経験則です。

今回の問題は数学的な計算ですが、実際の現場では、新メンバーを教育するための時間や、増員によってコミュニケーションの経路が増え、調整コストが発生する点を考慮しなければなりません。試験の問題では「生産性が半分」と数値化されていますが、実務では「教育期間中はむしろ全体の生産性が一時的に下がる」といったリスクも含まれることを意識しておく必要があります。

システム開発の現場では、スケジュール変更があった際、単純な計算式だけで判断するのではなく、チーム全体のパフォーマンスの変化を予測し、現実的な計画に修正する能力がプロジェクトマネージャーには求められます。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう