平成28年度 春期 ITパスポート試験 問84 解説 データベース設計
データベースを設計するときに, データの関連を整理して表現することを目的として使われるものはどれか。
- ア E-R図 ✓ 正答
- イ アローダイアグラム
- ウ ガントチャート
- エ フローチャート
解説
この問題は、キーワードの対応関係を把握しているだけで正解できる典型的な知識問題です。データベース設計という文脈において「データの関連」を整理する手法はE-R図である、と結びつけて覚えましょう。他の選択肢はデータベース設計以外の目的で使われる図であるため、消去法で確実に正解を導けます。
E-R図の役割と仕組み
E-R図(Entity-Relationship Diagram)は、データベースを設計する際の「設計図」のような役割を果たします。E-Rという名前は、以下の2つの英単語の頭文字をとったものです。
・Entity(エンティティ):実体。顧客、商品、注文など、データベースに保存したい対象のことです。 ・Relationship(リレーションシップ):関連。エンティティ同士がどのような関係にあるか(例:顧客が商品を「注文する」)を指します。
データベースをいきなり構築しようとすると、必要なデータの抜け漏れや、重複したデータの持ち方をしてしまうリスクがあります。そのため、まずはE-R図を使って「何と何を管理し、それらがどう関係しているか」を可視化し、システム全体の構造を整理する工程が不可欠なのです。
なぜ他の選択肢ではいけないのか
選択肢にある他の図は、データベース設計以外の場面で活躍するツールです。
・アローダイアグラム:プロジェクト管理で使われます。作業の順序や所要時間を整理し、どこがボトルネックになるかを分析する図です。 ・ガントチャート:スケジュール管理で使われます。縦軸に作業項目、横軸に時間をとり、進捗状況を視覚的に把握するのに適しています。 ・フローチャート:処理の手順を記述します。プログラムのロジックや、業務の進め方を記号で図式化するものです。
このように、図にはそれぞれ「専門」の領域があります。試験では、この「どの図が何の目的で使われるか」という役割分担が頻出ポイントとなります。
実務における知識の価値
この知識は、単に試験の合格を目指すだけでなく、将来システム開発の現場に出た際に大きな武器になります。
実際のプロジェクトでは、プログラマが直接テーブルを作るのではなく、まずシステムエンジニアが顧客と話し合いながら、データの整理を行います。このとき、E-R図を使って「このデータはここにも必要ではないですか?」「この関連だとデータが重複してしまいます」といった議論ができるようになると、手戻りのない質の高いシステム設計が可能になります。データベースの構造を正しく理解する力は、あらゆるシステム開発の基礎体力となるのです。