平成28年度 春期 ITパスポート試験 問85 解説 PCの起動プロセス
利用者がPCの電源を入れてから,そのPCが使える状態になるまでを四つの段階に 分けたとき,最初に実行される段階はどれか。
- ア BIOSの読込み ✓ 正答
- イ OSの読込み
- ウ ウイルス対策ソフトなどの常駐アプリケーションソフトの読込み
- エ デバイスドライバの読込み
解説
電源投入から起動までの順序を理解する
この問題は、PCが電源ボタンを押されてから操作可能になるまでの「ブートプロセス(起動手順)」を正しく理解しているかを問うものです。ポイントは、ハードウェアを動かすための準備が、ソフトウェアの動作に先行するという点にあります。
正解への判断根拠は、コンピュータの階層構造です。PCは電源が入った直後の段階では、OS(WindowsやmacOSなど)を読み込む能力すら持っていません。そのため、まずは機械を制御するための最も基本的なプログラムを読み込む必要があります。それがBIOS(Basic Input/Output System)です。
起動プロセスの4段階
PCの起動は、いわば「土台作りから始まって、徐々に高度な機能を追加していく作業」といえます。
BIOSの読込み(最初) 電源が入ると、マザーボード上のROM(書き換え不可能なメモリ)に記録されたBIOSが最初に読み込まれます。BIOSの役割は、CPUやメモリ、キーボードなどのハードウェアが正常に動くか診断(POSTと呼びます)し、起動デバイス(HDDやSSDなど)を探しに行くことです。
OSの読込み BIOSがHDDやSSD内のブートローダを見つけると、そこに記録されているOSをメモリ上に展開します。これが「OSの起動」です。
デバイスドライバの読込み OSが起動した後、マウスやキーボード、プリンタなどの各周辺機器を制御するためのプログラムであるデバイスドライバが読み込まれます。
常駐アプリケーションソフトの読込み(最後) 最後に、ウイルス対策ソフトやクラウドストレージの同期ツールなど、ユーザーがPCを使い始めた直後から裏で動いてほしいアプリケーションが起動します。
なぜこの知識が重要なのか
この起動プロセスの順序を知っておくことは、トラブルシューティングの第一歩として非常に役立ちます。
例えば、PCの電源を入れても画面が真っ暗なままの場合、「OSが壊れている」のか「ハードウェア(メモリやマザーボード)が壊れている」のかを切り分ける必要があります。もしBIOS画面すら表示されないのであれば、それはOSの問題ではなく、より手前のハードウェアやBIOS設定の段階で問題が起きていると判断できます。
また、IT現場では「スタートアップに登録されたアプリが多すぎてPCの起動が遅い」という相談を受けることがよくあります。この問題の知識があれば、どの段階で処理が詰まっているのかを推測し、不必要な常駐ソフトを停止させるなどの効率的な改善策を提案できるようになります。