ITパスポート試験 / 平成29年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 / 問45
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平成29年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問45 解説 委託先の進捗管理

問45 あるシステム開発において,プログラム作成から結合テストまでを外部のベンダに委託することにした。ベンダに対して,毎週の定例会議で,進捗と品質の状況,及びそれらに影響する問題があれば,その対策内容を全て報告することを条件として契約した。ベンダが契約条件に従っていることを確認するための活動として,適切なものはどれか。

  1. ア ベンダ側の作業で進捗と品質に影響する問題が発生し,対策が完了していないものについては,定例会議での報告を求めて内容を確認する。
  2. イ ベンダ側の作業で発生した進捗と品質に影響する問題とその対策内容は,納品時の報告で確認する。
  3. ウ ベンダ側の作業について,進捗と品質の状況及び発生した問題の全ての対策内容を,定例会議の報告で確認する。 ✓ 正答
  4. エ ベンダ側の作業について,進捗と品質の状況をプログラム作成などの各工程の完了時に報告を求め,その作業結果を確認する。

解説

この問題は、契約条件と管理プロセスの整合性を問うものです。解くための鍵は、契約書で交わした約束事(要件)と、実際に実行する管理活動(アクション)を照らし合わせることです。

問題文にある「定例会議で毎週報告する」という契約条件に対して、選択肢の中から「毎週の報告内容に、進捗、品質、問題とその対策のすべてが含まれており、会議の場で確認できているか」という観点で判断します。

委託管理のポイント:契約に基づくモニタリング

システム開発を外部のベンダーに委託する場合、発注者は完成した成果物を納品されるまで待つのではなく、開発の途中で適切に状況を把握するプロセスが必要です。これをモニタリングと呼びます。

契約条件として「毎週の定例会議」を定めた場合、それは開発の遅延や品質の低下などのトラブルを早期に発見し、対策を講じるためのリスク管理手段です。このプロセスでは以下の3点が重要になります。

  1. 網羅性:報告内容は、進捗だけでなく品質と発生した問題の対策を含んでいること。
  2. タイムリーさ:納品を待たず、毎週という短いサイクルで状況を確認すること。
  3. 継続性:問題が発生した際、その場限りの報告ではなく、対策の内容まで含めて確認すること。

選択肢を検討する際の考え方

アは「対策が完了していないものについてのみ」と限定しており、全ての進捗や品質状況の確認という契約条件を満たせていません。 イは「納品時の報告で確認」としており、契約で定めた「毎週の定例会議」という早期発見の機会を放棄しているため不適切です。 エは「工程の完了時」に報告を求めるとしていますが、これも契約にある「毎週」という頻度に一致せず、問題発生時の対応が遅れるリスクがあります。

ウが正解となる理由は、契約で定められた報告義務(毎週・進捗・品質・問題の対策)を、そのままモニタリングの活動として反映できているためです。このように、ITパスポート試験のマネジメント分野では、契約内容を忠実に実行・確認できているかを選択する問題が頻出します。委託先との関係では、契約書に何を定めたのかを常に意識することが重要です。

システム開発の進捗管理やベンダーコントロールの考え方は、実際のプロジェクト管理において非常に実践的な知識です。計画通りにプロジェクトを進めるためには、単に業務を任せるだけでなく、今回のように「どのような条件で、どの程度の頻度で状況を報告し合うか」を具体的に決めておくことが、プロジェクトの成功率を大きく左右します。

IPA 独立行政法人情報処理推進機構:情報システム・モデル取引・契約制度 ITパスポート試験ドットコム:システム開発の委託と契約の管理 JISA(情報サービス産業協会):ソフトウェア開発委託契約に関するガイドライン

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