平成29年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問45 解説 プロジェクト管理の適用
プロジェクト管理の手法を適用するケースとして,最も適切なものはどれか。
- ア コンピュータシステムの定常的なオペレーションに適用する。
- イ システム開発業務を外部委託する場合に,料金設定の基準として適用する。
- ウ システム開発部の職制を構成する場合に,フレームワークとして適用する。
- エ チームを編成して,システムを構築するときに適用する。 ✓ 正答
解説
この問題はプロジェクトという言葉の定義を理解しているかが鍵となります。プロジェクト管理は、期限や予算、目的が明確で、終わりがある一時的な活動に対して適用されます。そのため、繰り返し行われる定常業務ではなく、システム構築のようにゴールに向かってチームを編成して進める業務に適用するのが最も適切です。
プロジェクトの定義とプロジェクト管理
プロジェクトとは、あらかじめ決められた期間内に、特定の成果物を完成させることを目的とした一時的な取り組みを指します。これに対して、日々の伝票入力やサーバーの監視業務のように、終わりがなく繰り返し行われる業務は定常業務と呼ばれます。
プロジェクト管理(プロジェクトマネジメント)は、この一時的な活動を成功させるための手法です。具体的には、以下の3つの制約(プロジェクトの3重制約)のバランスを保ちながら管理を行います。
スコープ:何をどこまで作るか(成果物の範囲) スケジュール:いつまでに作るか(期限) コスト:いくらで完成させるか(予算)
これらに加えて、品質やリスクなども含めて管理し、限られたリソースを最適に配分することで、システム開発などの目的を達成します。
選択肢の検討
ア:オペレーションは繰り返し行われる定常業務であるため、プロジェクト管理の適用対象には適しません。 イ:委託の際の料金基準には契約の種類や単価表などが用いられます。プロジェクト管理そのものを料金設定に使うことはありません。 ウ:職制の構成は組織運営のルールであり、一時的な目標達成を目指すプロジェクト管理の手法とは役割が異なります。 エ:システム構築は明確なゴールと期限があるため、まさにプロジェクトそのものです。チームを編成し、リソースや進捗を管理するプロジェクト管理手法を用いるのが適切です。
実際の現場における活用
ITパスポート試験でこの知識が問われるのは、システム開発がいかに計画的に進められるべきかという基本姿勢を確認するためです。
実務では、システム開発プロジェクトが始まると、まずはWBS(作業分解構成図)を作成してタスクを洗い出し、誰がいつまでに何をするかを明確にします。また、進捗状況を定期的に確認し、遅れが生じた場合には要員を増やすか、作業範囲を調整するといった意思決定を行います。もし、プロジェクト管理の手法を知らずに行き当たりばったりで開発を進めると、予算オーバーや納期の遅延、あるいは品質の低下を招くことになります。プロジェクト管理の考え方は、小規模な開発から大規模なITインフラ整備まで、すべてのIT業務の根幹を支える非常に重要な知識です。
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