平成29年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問44 解説 内部統制の構成要素
内部統制の構築に関して,次の記述中のa,bに入れる字句の適切な組合せはどれ か。 内部統制の構築には, a ,職務分掌,実施ルールの設定及び b が必要である。
- ア
- イ
- ウ
- エ ✓ 正答
解説
この問題は、内部統制を構築するための具体的な要素を問うものです。正解を導くためには、内部統制の目的である「業務の適正化」と「リスクの低減」に注目します。
まず、aには業務の流れを正しく理解し記述するための「業務プロセスの明確化」が入ります。業務がどのように行われているか不明確な状態では、ルールを作ることも権限を分けることもできないからです。次に、bには不正やミスを防ぐための「チェック体制の確立」が入ります。ルールを作っただけで終わらせず、それが適切に運用されているかを確認する仕組みこそが内部統制の本質です。したがって、これらを満たすエが正解となります。
内部統制とは、組織が目標を達成するために定める仕組みのことです。ITパスポートでは、以下の4つの目的をセットで覚えておく必要があります。
- 業務の有効性と効率性:無駄なく、正しく業務を行うこと
- 財務報告の信頼性:決算書などが虚偽なく作成されていること
- 法令遵守:法律やルールを守ること
- 資産の保全:会社の資産を守ること
これらを実現するためには、特定の誰か一人にすべての権限が集中しないようにする「職務分掌」が極めて重要です。例えば、お金を支払う担当者と、支払いを承認する上司が同一人物であれば、不正が起きやすくなります。この問題にある「業務プロセスの明確化」や「チェック体制の確立」は、こうした不正やミスを組織的に防ぎ、健全な運営を行うための土台となります。
実務においては、ITを活用して業務を効率化することも大切ですが、IT化そのものが目的ではありません。あくまで「統制が効くような業務プロセスを設計した上で、効率化のためにITを活用する」という順序が重要です。この問題は、内部統制の目的を正しく理解し、手段と目的を混同しないための基礎的な知識を問うています。
金融庁 財務報告に係る内部統制の評価及び報告の制度(金商法) 日本公認会計士協会 内部統制の基礎知識