ITパスポート試験 / 平成29年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 / 問47
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平成29年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問47 解説 リスク対応(軽減)

あるシステム開発プロジェクトでは,システムを構成する一部のプログラムが複雑で,そのプログラムの作成には高度なスキルを保有する特定の要員を確保する必要があった。そこで,そのプログラムの開発の遅延に備えるために,リスク対策を検討することにした。リスク対策を,回避,軽減,受容,転嫁に分類するとき,軽減に該当するものはどれか。

  1. ア 高度なスキルを保有する要員が確保できない可能性は低いと考え,特別な対策は採らない。
  2. イ スキルはやや不足しているが,複雑なプログラムの開発が可能な代替要員を参画させ,大きな遅延にならないようにする。 ✓ 正答
  3. ウ 複雑なプログラムの開発を外部委託し,期日までに成果物を納品する契約を締結する。
  4. エ 複雑なプログラムの代わりに,簡易なプログラムを組み合わせるように変更し,高度なスキルを保有していない要員でも開発できるようにする。

解説

この問題は、リスク対応の4つの手法(回避、軽減、転嫁、受容)の定義を正しく区別できているかを問うものです。ポイントは、リスクそのものを消すのではなく、発生確率を下げたり、発生したときの影響を小さくしたりする対策がどれかを見抜くことです。

リスク対応の4つの手法

プロジェクトマネジメントにおけるリスク対応は、大きく以下の4つに分類されます。

回避 リスクの原因そのものを取り除いたり、計画を変更したりして、リスクの影響を受けないようにすることです。問題文の選択肢エのように、システム構成そのものを変更して難易度を下げる行為がこれに当たります。

軽減 リスクの発生確率を下げたり、発生してしまったときの影響度を小さくしたりすることです。今回の正解である選択肢イは、代替要員を準備することで、遅延という悪い影響が発生しても最小限に抑えようとしています。これが軽減の典型例です。

転嫁 リスクの発生による影響を、契約などを通じて第三者に移転することです。問題文の選択肢ウのように、外部委託によって遅延時の責任や補償を相手方に移すことがこれに該当します。

受容 発生するリスクをあえて受け入れ、何も対策を講じないことです。問題文の選択肢アのように、リスクが顕在化したときにその都度対応すると割り切り、事前には特別な対策を打たないことがこれに当たります。

なぜこれが重要なのか

現実のシステム開発プロジェクトにおいて、すべてのリスクを完全になくすことは不可能です。そのため、プロジェクトマネージャは「どのリスクに対して、どの手法を選択するのが最もコストパフォーマンスが良いか」を常に判断する必要があります。

例えば、今回の問題のように「特定の熟練者に依存している」という状況は、IT業界では非常によくあるリスクです。このとき、単に「外部に出せばいい(転嫁)」と考えるのではなく、開発の進捗に影響が出ないような「バックアップ体制(軽減)」を構築するのか、あるいは「設計そのものをシンプルにする(回避)」のが良いのかを、コストや納期と天秤にかけて選ぶ思考能力が求められます。

試験では、それぞれの言葉の定義を暗記するだけでなく、提示された選択肢が「何のリスクを、どう処理しようとしているのか」を論理的に分解する力が合格への近道となります。

ITパスポート試験 リスク対応の手法 IPA 情報処理推進機構 リスクマネジメント プロジェクトマネジメントにおけるリスク対応戦略

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