平成30年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問28 解説 要件定義プロセス
ソフトウェア開発に関するプロセスを, 企画プロセス, 要件定義プロセス, プロジェクト計画プロセス, システム開発プロセス, ソフトウェア実装プロセスに分ける。現行業務における問題を分析し, 新しく導入するシステムによって問題を改善する業務や新規の業務を明確にして, システム化後の業務の全体像を作成するプロセスとして, 適切なものはどれか。
- ア 企画
- イ 要件定義 ✓ 正答
- ウ プロジェクト計画
- エ システム開発
解説
この問題は、システム開発の各工程で何を決めるのかという役割分担を整理することで正解を導き出せます。判断のポイントは、対象がビジネス(業務)の視点か、技術(システム)の視点かを見極めることです。問題文にある「現行業務の分析」「システム化後の業務の全体像」という言葉は、業務のルールや進め方を定義することを指しているため、要件定義プロセスが正解となります。
システム開発の初期段階にはいくつかのプロセスがありますが、ITパスポート試験では特に企画プロセスと要件定義プロセスの違いが頻出です。それぞれのプロセスの目的を整理すると、違いが明確になります。
企画プロセス 経営戦略やビジネス上の目的を達成するために、どのようなシステムが必要かを検討する段階です。システム化の構想を練り、投資に見合う効果が得られるか(費用対効果)を確認します。まだ具体的な業務フローまでは踏み込みません。
要件定義プロセス 企画プロセスで決まった構想をもとに、新しいシステムを使って具体的にどのように仕事を進めるかを決める段階です。利用者がシステムに何を求めているか(要件)をまとめます。現行業務の課題を洗い出し、システム導入によってその課題をどう解決し、業務がどう変わるのかを明確にする、まさにこの問題が指している活動が行われます。
プロジェクト計画プロセス 開発に必要な期間、予算、人員、開発手法などの管理計画を立てる段階です。どのようにプロジェクトを進めるかというマネジメントの視点が中心となります。
システム開発プロセス・ソフトウェア実装プロセス 要件定義で決まった内容を実現するために、具体的な設計(設計書作成)を行い、プログラミング(実装)やテストを行う段階です。ここでは業務の流れそのものよりも、コンピュータが正しく動くための技術的な詳細を扱います。
試験対策としては、誰が主導するかに注目するのも有効です。企画や要件定義は、システムを使う側のユーザー部門が主体となって、自分たちの仕事のルールを決めるプロセスです。一方で開発や実装は、システムを作る側の開発者が主体となります。
flowchart LR
A["企画\n(目的・予算)"] --> B["要件定義\n(業務フローの決定)"]
B --> C["プロジェクト計画\n(管理計画)"]
C --> D["開発・実装\n(設計・製造)"]この流れの中で、要件定義はビジネスの言葉をシステムの言葉へ翻訳する橋渡しのような役割を担っています。そのため、業務の全体像を固めるという記述があれば、それは要件定義を指していると判断してください。