平成30年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問32 解説 不正競争防止法
不適切な行為に関する記述a~cのうち,不正競争防止法で規制されている行為 だけを全て挙げたものはどれか。 a 営業秘密となっている他社の技術情報を,第三者から不正に入手した。 b 会社がライセンス購入したソフトウェアパッケージを,不正に個人のPCにイン ストールした。 c キャンペーン応募者の個人情報を,本人に無断で他の目的に利用した。
- ア a ✓ 正答
- イ a, b
- ウ a, b, c
- エ b, c
解説
この問題は、不適切とされる各行為がどの法律の管轄にあたるかを正しく分類することで解けます。不正競争防止法のキーワードは「営業秘密(トレードシークレット)」や「商品の形態模倣」、「ドメイン名の不正取得」などです。選択肢を一つずつ照らし合わせると、aだけが営業秘密の不正取得に関する記述であるため、正解はアとなります。
不正競争防止法と関連法規の区別
ITパスポート試験において、法務分野は頻出のポイントです。特に「不正競争防止法」「著作権法」「個人情報保護法」の3つを混同しないように整理しておく必要があります。
a 営業秘密の不正入手 不正競争防止法は、事業者間の公正な競争を維持するための法律です。顧客名簿や独自の技術ノウハウといった「営業秘密」を盗み出したり、不正に入手した情報を公開・使用したりする行為を厳しく規制しています。営業秘密として認められるには、秘密として管理されていること(秘密管理性)、事業活動に有用な情報であること(有用性)、公然と知られていないこと(非公知性)の3つの条件を満たす必要があります。
b ソフトウェアの不正インストール ソフトウェアパッケージをライセンスに反して個人のPCにインストールする行為は、著作権法に抵触します。プログラムは著作物であり、そのコピーや利用には著作者(開発メーカーなど)の許諾が必要です。不正競争防止法ではなく、知的財産権の一つである著作権の侵害にあたると判断します。
c 個人情報の目的外利用 キャンペーン応募者の個人情報を、本人に断りなく別の目的(別のサービスの勧誘など)に利用する行為は、個人情報保護法に抵触します。この法律は、個人の権利と利益を守るために、個人情報の取り扱いルールを定めたものです。企業が競争相手と有利に戦うためのルールを定めた不正競争防止法とは、保護の対象が異なります。
実務や試験での活用シーン
不正競争防止法に関する問題は、ITパスポート試験で「コンプライアンス(法令遵守)」の文脈でよく出題されます。よくあるパターンは、退職した社員が機密情報を持ち出して競合他社に転職するケースや、他社のヒット商品のデザインをそっくり真似た「デッドコピー」を販売するケースです。
また、近年では「限定提供データ」という概念も不正競争防止法に含まれるようになりました。これは、特定の相手にのみ提供される、IDやパスワードで管理されたデータのことで、ビッグデータなどの利活用を保護する目的があります。
法律名だけを覚えるのではなく、「誰の、何を守るための法律か」という視点で分類すると、初見の事例問題にも対応しやすくなります。
・不正競争防止法(経済産業省) https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/不正競争防止法/index.html ・著作権法(文化庁) https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/ ・個人情報の保護(個人情報保護委員会) https://www.ppc.go.jp/personalinfo/